ハンバーグが突如として消えてしまった原因はサウラーの作戦だった。
不幸のゲージをより効果的に溜めるには、大人より子供を狙う方が効果的、だという。
それに基づき、子供達が好きなものをこの世から消してしまうという作戦を企てた。
そうして生み出されたのが黒板ナケワメーケだ。

黒板ナケワメーケは、何か描かれた紙を吸収し、自らの黒板に映し出すことが出来る。
そして、その絵を両手の黒板消しで消すことでその存在をこの世から消すことも出来るのだ。
まずは手始めに、と手に取ったのが、子供が描いたハンバーグの絵。
奇しくも、ラブにとって最悪のタイミングでハンバーグが消えてしまったのだ。
町中から溢れ出す不幸のエネルギーを確と感じ取ったサウラーは、不敵な笑みを浮かべていた……。
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次の日、ダンスの練習時にも昨日の喧嘩を引きずって落ち込んでいるラブ。
「もうお手伝いなんてしない」と言うラブに、美希と祈里はどうして母のお手伝いを始めたのか問い掛けた。
「遅くまで働いて、いつも頑張ってるお母さんを見てたら……」
「応援しなきゃって……」
ラブは自分の幼い頃を思い出す。

口では「大嫌い」などと言うけれど、本心からの言葉でないのは、美希も祈里もお見通し。
今日の夕飯もラブの当番と聞いて、夕飯を作って仲直りしよう、と買い物に行くことになった。
母と顔を合わせ辛いラブだったが、2人に半ば無理矢理スーパーに連れて来られた。
しかし居るはずの母はそこにおらず、知り合いのおばさんが「急用で早退した」と教えてくれた。
昨日の事で心にしこりのあったラブ母が「今日は早めに帰って夕飯を作ろう」と早退したのだが、
そうとは知らず、急用と聞いて何かあったのかと心配するラブ。
そんな時、異変は起きた。
子供達の持っていた携帯ゲーム機が消え、スーパーマーケットの商品も消え、
タルトが今まさに食べようとしていたドーナツまでもが消えてしまった。
子供の好きなものを調べ尽くしたサウラーが本格的に作戦を実行し始めたのだ。

ラビリンスの仕業だと気付いたラブ達は、幹部の姿を探し町中を駆け回る。
その最中、自分の家の前を通り掛ったラブは、早退したという母のことが心配でつい立ち止まる。
様子を察した美希と祈里は、ラブへ背中を押す言葉を投げかけ、見に行くように促した。
その時、学校の屋上から町を見下ろしていたサウラーは、とある母子の姿を見つける。
「今日の夕飯はカレーよ」と言う母親に喜ぶ子供。
「それは既に消去済みだ」と笑うサウラーの目に映ったのは、母を慕う子供の姿だった。
子供達にとって本当に大切なもの…………サウラーは気付いてしまう。
それは母親だ、と。
ラブはゆっくりと自宅の玄関を上がり、母への想いを巡らせながら、リビングへと足を進める。
まな板を叩く音、鍋を煮込む音、母の歌う鼻歌が聞こえてくる。
そして、リビングの扉を開いたその時――――

ラブの目の前で、母が消えた。
膝から崩れ落ち、取り乱すラブ。
そこへ美希、祈里、タルトが駆けつけた。
「どうして……私が嫌いって言ったからいなくなったの……?」
「そやない! ヤツはみんなの好きなもんを消しよるんや!!」
好きなもの……それは家族。
事の重大さに気付く美希、祈里。
気を持ち直したラブは、家族を取り戻しに行くと決心した。
サウラーの居場所はタルトが見つけていた。
相まみえる三人とサウラー。
卑怯な作戦を糾弾するも、サウラーは飄々と自己紹介。余裕の顔だ。
「大切なものを奪うなんて……許せない!!」
ナケワメーケをけしかけたサウラーに対し、三人はプリキュアに変身し応戦する。
黒板ナケワメーケは変な身形ながらも、なかなか手強い。
その大きさでプリキュアの三人を相手に格闘戦で優位に立ち、
さらに両手の黒板消しでチョークの粉を模した煙幕を撒き、身を潜め不意打ち攻撃をするなど、知恵も回るようだ。

不意打ちで隙を付かれてからの、チョークの弾丸攻撃に全身を打たれ、プリキュアは窮地に陥ってしまう。
しかしここでやられてしまうプリキュアではない。
みんなの顔、そして母への想いから立ち上がるキュアピーチ。
それに続いてベリー、パインも立ち上がる。
ナケワメーケのパンチを避け、腕を掴み投げ飛ばすピーチ。しかしダメージはない。
投げ飛ばされた受身で飛び跳ねたナケワメーケに、ベリーとパインはダブル・プリキュアキックで上空に蹴り上げる。
これでもナケワメーケに目に見えるダメージは無い。
キックの衝撃で晴れた煙幕を、空中で再び発生させるナケワメーケ。
そこでパインの浄化技ヒーリングプレアーがこれをかき消す。
流れるようにベリーが浄化技エスポワールシャワーをナケワメーケにヒットさせるが、倒すには至らない。
しかし動きの止まったナケワメーケに、ピーチの浄化技ラブサンシャインが炸裂。

ついにナケワメーケは浄化され、戦いは終わった。
三人の波状攻撃が功を奏したのだ。
戦いが終わり、急いで家に帰るラブ達。
「お母さん……どうか無事でいて……!」
玄関の扉を恐る恐る開く。
ラブは息を飲む……。見えたのは真っ暗な玄関。
次の瞬間、パッと明かりがつき、いつもと何も変わらない母親がラブを迎えてくれた。
感極まって母に抱きつくラブ。
昨日のことをしっかり謝り、母も「私も言い過ぎちゃった」と謝った。

すっきり仲直りできた桃園親子。
帰ってきていたお父さんも一緒に、お母さんの作った夕飯を囲む。
……そこには昨日のハンバーグも戻ってきていた。

不思議がるラブ母に「こっそり作っておいた」と、昨日とは逆の言い訳をするラブ。
付け合せに出されたニンジンも頑張って食べて、ラブは戻ってきた日常に安堵するのであった。
めでたし、めでたし。
 | 「……イイハナシダナー」 |
「イイハナシジャッタナー」 |  |
 | 「なんというか、こういう話はずるい」
「ウルっと来ちゃう」 |
「そうじゃのう……」 |  |
「~~~~ッッ!!」 |  |
 | 「え、天の助まで……!?」 |
「目にゴミが……」 |  |
 | 「ですよねー!」 |
「お約束、お約束」 |  |
 | 「……さて、今回は三幹部のサウラーが初出撃でした」 |

サウラー人間形態
 | 「はい、一発で嫌いになりました」 |
「感情移入し過ぎ!!」 |  |
 | 「ちょっといきなり外道過ぎでしょ!」
「特に母親消すとか、こんなん日曜の朝からやるかぁ!?」 |
「たしかにクレーム来そうな展開じゃったな」 |  |
 | 「ハンバーグとか、そういうのだけなら笑って許せたんだけど……」 |
 | 「ちょーっと、俺の堪忍袋の緒が切れちゃったねぇ……」 |
「そこまで嫌われたら、サウラーも悪役冥利に尽きるじゃろ……」 |  |
 | 「そういやこいつだけ徒歩で帰ってなくない!?」
「なんか周りの煙に紛れて消える感じで撤退してた!!」 |
「ま、まさか同じ幹部でもこいつは別格か!?」 |  |
「ただ徒歩で帰らなかっただけでそれはおかしい」 |  |
「じゃあ今回は通勤費出てたとか」 |  |
 | 「最初に上司(メビウス)来てたしね」 |
「金でどうにかなることじゃないじゃろ!?」 |  |
 | 「なんにしろ、サウラーはかなりの曲者に違いないね」 |
「なんか今回の黒板ナケワメーケも妙に強かったしな」 |  |
 | 「モノを消してしまう能力に加え、あの戦闘力……!!」 |

 | 「そうそう、今回はバトルシーンが凄かった!」 |
「すげーぐりぐり動いてたな!」 |  |
「カメラワークというか、構図も凝ってたのう」 |  |
 | 「バトルもプリキュアの醍醐味だからね」
「特に今回はナケワメーケのモチーフをバトルに活かしてたのがポイント高し!」 |
「小さな女の子もこういうバトルはウケるんかのう?」 |  |
「そもそも初代から戦う女子だっただろプリキュアは!!」 |  |
 | 「シリーズが続いてるってことは、少なからずウケてるんだと思うな」 |
「ふむ……それもそうか」 |  |
 | 「……まぁ、プリキュアの魅力はそれだけじゃないけどね!」 |
 | 「というわけで以上、あらすじでした」 |
#2 ピックアップ
 | 「さーて今回のピックアップは――」 |

 | 「桃園家!」 |
「ラブの家族じゃな!」 |  |
 | 「今回目立ったので取り上げてみます!」 |
「桃園家はどうでもいい!!」
「山吹家をピックアップしてくれ!」 |  |
「言うと思ったわい……」 |  |
 | 「まぁ……それは目立ったら決めます」 |
「頼むぞ……!!」 |  |
「いちいち泣くな、うっとおしい!!」 |  |
「怖ェ!!」 |  |
 | 「……えーと、それじゃ行きますか」 |

 | 「ラブのお母さん、桃園あゆみ!」 | |
 | 「今までの描写で専業主婦かと思ったら」
「今回、スーパーマーケットのパートタイマーとして働いていた事が判明!」 |
 | 「夫の稼ぎだけでは厳しいのか、どうやらラブが小さい頃から働いてるらしい……!」 |
「まさか今回の話のためにできた設定じゃないよな?」 |  |
 | 「う~ん、そういう邪推もできるけど……」 |
「1話や3話でラブが帰ってきた頃に家にいたり」 |  |
 | 「その日はたまたま休みでしたで説明出来ちゃうんだよなぁ……」 |
「素直に作品を楽しみたいなら、気にしないことじゃな」 |  |
「それもそうか」 |  |
 | 「キャラクターとしては、なんとも普通のお母さんです」 |
 | 「娘が勝手に連れてきたフェレットを見て」
「娘を叱るどころから自分から飼おうと言い出すぐらいには普通です」 |

「お前の言う普通って何?」 |  |
 | 「今回は喧嘩しちゃったけど、基本的に娘とも仲が良く、夫婦仲も円満」 |
 | 「幸せ家族ですなぁ。羨ましい!」 |
「ま、いいことだよな!」 |  |
 | 「さて、次に行きましょう」 |

 | 「ラブのお父さん、桃園圭太郎!」 | |
 | 「もうまるっきり普通のサラリーマンです」 |
 | 「妻が突然フェレットを飼いたいと言い出しても」
「ちょっと迷っただけで了承しちゃうぐらいには普通です」 |
「いや、だからお前の言う普通って何?」 |  |
「タルトを飼う事になった話に妙に突っ込むのう」 |  |
 | 「前述の通り、夫婦仲は円満」 |
 | 「でも普通のサラリーマンだから、あんまり話に絡まないかも!」 |
「比較として他シリーズのサラリーマン父親を例に出すと!!」
「スマイルプリキュア('12)の主人公キュアハッピーの父親がサラリーマンだ!」 |  |
「……が、初登場が第17話」
「さらにメイン回もあらず……」 |  |
 | 「何か特別な職業だと、お話に絡むことも多いんだろうけどねえ……」 |
 | 「まぁ、こっちは初登場が第3話なので、比較対象より幾分マシかな!?」 |
「もしかしたら、こっちはメイン回があるかもしれんしな!」 |  |
 | (えぇ~……それは無さそう……) |
「あるわけねーだろ、ボケたか爺さん」 |  |
「あぁ……?」 |  |
「だから、怖ぇっつうの!!」
「次行って、次!」 |  |

 | 「桃園家長女、桃園ラブ!!」 |
「ご存知、主人公じゃな」 |  |
 | 「そう、ご存知爺さんのイチ推し、ラブさんです」 |
「推した覚えはないっちゅうに!」 |  |
 | 「今回、ある程度の料理がこなせる事が判明!」 |
「それも親のため、というのが良いのう」
「良い子じゃなあ……」 |  |
 | 「しかし、ニンジンが苦手ということも判明!!」 |
「コラ! 好き嫌いしたらダメじゃぞ、ラブ!!」 |  |
(なんだかんだ言ってラブ推しだよな、爺さん……) |  |
 | 「もしかすると、ハンバーグの付け合せ特有の甘いニンジンが苦手なだけかも?」
「俺は甘い方が好きだけど……」 |
「お前さんも好き嫌いしとるんか!」 |  |
 | 「そんなこと言ってないし!!?」 |
「甘い方が好き……つまりそうじゃない方は、そんなに好きじゃないということに」 |  |
 | 「うわぁ、面倒くさい!」
「次行くよ、次!!」 |

 | 「桃園家のペット、タルト!!」 |
「タルトもいれるのか?」 |  |
 | 「ペットとなった彼は、もう立派な桃園家の一員です」
「第3話じゃペット用の籠に入れられてたしね」 |
 | 「主食は……特になく、人間みたいになんでも食べるっぽいです」 |
「普通にドーナツ食ってるよな」 |  |
「まぁ、フェレットじゃなくて本当は妖精じゃからな」 |  |
 | 「ハンバーグもナイフとフォークで綺麗に食事!」 |

「これ、ラブの横で食べてるんじゃよな……?」 |  |
「おい、突っ込めよラブ母」
「フェレットが綺麗に食べるわけない、とかラブに追求してただろ」 |  |
 | 「まぁ……おおらかな家庭ということでしょう!」 |
「というか、シフォンも当たり前のようにいるんじゃが……」
「お母さんには美希のぬいぐるみと説明してなかったか?」 |  |
 | 「おおらかな家庭なんですよ!」 |
「おおらかってレベルを超えてるだろ!!」 |  |
 | 「というわけで、桃園家はおおらかな家庭ということがわかりました!」 |
「強引にまとめおった!」 |  |
#3 今回のキュアベリー
 | 「それじゃあ今回もキュアベリー、美希たんの活躍をまとめるぜ!」 |
 | 「……と言っても、今回もそんなに目立たず」 |
「完全にラブ中心のお話じゃったからのう」 |  |
 | 「それに今回はメインキャラ3人とも全編ジャージだったため、見た目的にも……」 |
 | 「まぁ、そんな中でも活躍する美希たんを取り上げましょう」 |

 | 「ショックを受けるラブさんを気丈に支える美希たん!」 |
 | 「美希たん凛々しい……!」 |
「人を引っ張っていくキャラでは無いようじゃが」
「ラブを引っ張っていくのは美希の役目なんじゃろうな」 |  |
 | 「さすが幼馴染!」 |

 | 「母親と夕食する美希たん!」 |
 | 「父親とは離れて暮らしてるのでお母さんと二人きり」 |
「弟とも離れて暮らしてるから両親離婚っぽいけどな」 |  |
 | 「親が離婚してるなんて、そんなプリキュア良いんですかね……?」 |
「良いも何もいるなら仕方ないじゃろ」 |  |
 | 「まぁ、そこらの話はたぶんそのうち明かされるでしょう」 |
「っつーか結構良いモン食ってんじゃねーか!」 |  |
「ステーキ、パン、サラダ、飲み物はオレンジジュース(ワイン)……」 |  |
「美希のキャラクター的に洋食は似合ってるのう」 |  |
 | 「お姉さんを意識して描かれてるよね、美希たんは」 |
 | 「これもその1つじゃないでしょうか」
「まぁ、自分の意見を言わせて貰えば、やっぱり食卓にご飯が欲しいところですが」 |
「お前の好みはどうでもいいだろ!」 |  |
 | 「と、まぁ、今回はこれだけなんですが」 |
「前回より少なかったのう」 |  |
 | 「なんか最近知ったんですけど」
「ネット界隈じゃ美希たんがネタキャラっていう風潮があるらしいんです」 |
「へ、へぇ~……」 |  |
 | 「今のところ、そこまでネタキャラには見えないんですが」
「もしかしてこれからネタキャラになってしまうんでしょうか……」 |
「ネット界隈は1の話を100にするぐらいワケない世界じゃからなぁ」 |  |
「俺はブッキーがネタキャラにされてないんだったらどうでもいいぜ」 |  |
 | 「わかってはいたが酷い!!」 |
 | 「まぁ、そんな話を聞きましたが……」 |
 | 「たとえ美希たんがネタキャラであろうとも!」
「これからも美希たんを応援していきます!」 |
(うむ……このまとめ方は読めてたぞい) |  |
#4 次回予告

「偶然町で出会った女の子……」
「あ! あなたはあの時の占い師さん!」
「へえ~東せつなっていう名前なんだ。よーし!」
「せつなをクローバータウンのいろんな所に案内してあげる!」
「うっそー! ドーナツ食べたことないってマジー!?」
「……せつな、あたし達もう友達だよね!」

「フレッシュプリキュア!」
「せつなとラブ 友情のクローバー!」
「みんなで幸せゲットだよ!」
「どう見てもイースです。本当にありがとうございました」 |  |
 | 「次回はストーリーが動きそうだなあ……」 |
「イースはラブのことを知っているわけじゃが、どうするつもりじゃろう?」 |  |
 | 「っていうかいつもそうだけど、敵には正体バレバレだよね、プリキュア達」 |
「敵に自宅まで知られてるシリーズあるしな……」 |  |
 | 「いくらプリキュアが敵でも、自宅を襲撃することはない悪の幹部達……」 |
 | 「意外とやさしい!」 |
「プリキュアの自宅が戦場になることも、無いわけじゃないんだけどな」 |  |
 | 「今回はそうならないといいなぁ」 |
「ブッキーの家だけは戦場になりませんように……!!」 |  |
 | 「お約束のブッキー贔屓!!」 |
「自宅襲撃されぬよう祈りつつ、今回はここまでじゃ!」 |  |
 | 「俺らが祈っても仕方ないですけどね!」 |
待て、次回!
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