人助けの男 第9話「助っ人バレンタイン」 バレンタイン当日の朝。俺は重大なことに気づいた。 「友恵!今日はバレンタイン当日だが・・・・!」 「何?うちの学校は土曜も登校するじゃない。」 「そーじゃない!人助けは俺がしないと意味が無かったんじゃないのか!?」 「なーんだ、そんなことなの?厳密に言えばあんたが喜んでる人の近くにいて、それで間接的にでもいいからあんたに感謝とかしてればいいのよ。今回の場合は助っ人部が感謝されるから、部長のあんたは間接的に感謝されてることになるわ。」 「はぁ・・・?そんなんでいいのかよ?」 「ま、間接的だから吸収できるエネルギーも1人あたりの量が減るけど。もし171人全員に感謝されたとして、全部のエネルギーを収集できたとしても通常の場合の1/3ぐらいしか入らないわ。だとしても一気に50人分近くのエネルギーが入るから今月トップ間違い無しね。」 なるほど・・・・・。それなら友恵が人助けしてもエネルギーが貯まらないことに納得がいく。友恵が人助けしても友恵が感謝されるわけで、俺は直接的にも間接的にも感謝されないからな・・・・。でもちょっとぐらい手伝ってくれてもいい気がする。ま、1週間に一度母親の手伝いなんかしてせこせこエネルギー貯めてる俺が言えたことじゃないが。 今日も今日とて私営丘科線に乗り学校へ。 毎回毎回通学途中の描写しかないが、ちゃんと電車で通学しているのだ。 「そういやもう配ったのか?チョコ。」 「昨日のうちにね。放課後誰も居なくなるまで時間つぶして、あたしとミミと寺巫女ちゃんの3人で手分けして机に入れといたわ。」 「それで昨日あんなに帰りが遅かったのか。先生には怒られなかったのか?」 「ぜんぜん。いろんな先生があのチラシ見てるはずなのに、それでも何も言われなかったし。遅くまで残ってても意図を理解して黙認してくれてたんじゃない?中には先生にも・・・・おっと秘密厳守だったわね。」 先生にもモテてない人がいたとは・・・・・。ってか同じ助っ人部なんだからどの先生かぐらい教えてくれてもいいのに。まぁ柳沢とかに教えたらすぐ言いふらしそうだが。 「チョコキタ━━━━━━( ∀ |