人助けの男 第7話「大切なのは結果だ」 今日も今日とて学校だ。いつも通り学校へ行く。 今日、2月4日は立春らしいがまだまだ寒い。暦的にも2月はまだ冬だろう。 「あっ、あのお婆さんハンカチ落としたぞ。」 「チャンスじゃない。行ってきなさいよ。」 お婆さんは少し離れたところにいたので走って追いかけた。 「お婆さん、ハンカチ落としましたよ。」 「あら、ありがとうねえ。」 お婆さんは歩みを止めて俺にニコリと微笑むとハンカチを受け取りまた歩きだした。 だが、お婆さんが背を向けた瞬間、お婆さんの背後に浮かぶ黒い影が見えた。 なんだかよくわからないが、人の形をしているようにも見える。 (私が見えるの・・・・?) 突然何者かに話しかけられて驚いたが、こういう場合はすぐに特定できる・・・。 黒い影に話しかけられたのだ。 俺が戸惑いつつもコクリとうなずくと、黒い影の中から女の人の頭が浮かんできた。 金髪で結構美人さんだ。その女の人は俺にウィンクを飛ばすと黒い影に消えてお婆さんと共に行ってしまった。 「まさか、あんた見えてたの?」 背後から友恵の声が聞こえたので慌てて振り返った。いつの間に来てたんだコイツ・・・。 (完全に見えていたようでござるよ。) 「なんなんだあの人?あれも神の使いなのか?」 「そうね。あれは・・・・死神の使いよ。」 「死神だって!?」 「可哀想ね、あのお婆さん。もうすぐ死んじゃうんだわ・・・。」 「え?寿命が近いってことか?なら別に可哀想とか・・・・」 「違う違う。寿命で死ぬ場合は死神なんかに憑かれないわよ。何か他の事・・・、事故か病気か災害か・・・それで死んじゃうわ。」 俺は唖然とした。なんだって俺は死神を見ちまったんだ・・・。 「死神の使いは通称 |