小説      スーパーマリオ



第二十話   「決着!」
 


《 》は口に出していない言葉


前回までのあらすじ!
もう何度目かの世界征服に乗り出したクッパ大魔王
しかし!力を利用しようと復活させた暗黒魔道士エクスデスに逆に利用され、体に乗り移られてしまう!
EXクッパとなったエクスデスにマリオ達は苦戦するも、突如戻ってきたカメックによって2人は分離する。
クリスタルのパワーを体に宿し、強化状態にあるカメックであったが、クッパを庇い戦死……。
クッパは辛くも地上へ逃げ延びるが、マリオ達はエクスデスの放ったメテオにより消息不明となる。
そして地上メンバーはエクスデスによってキノコ城周辺に集められ、ここにエクスデスvs地上メンバーの戦いが始まった!

まさかの主役不在のまま、物語は最終局面へと進行する………!

ノコブロス赤「黒!緑!黄!エクスデスにジェットストリームアタックをかけるぞッ!!」
ノコブロス黒「おっしゃぁぁぁ!!!!」
ノコブロス緑「マジメな場面でパロディだけど、俺達の必殺技だからしょうがねえ!」
ノコブロス黄「姉御のカタキ討ちじゃぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」

ノコブロス4匹が一列に並び、甲羅に篭りながら突進を仕掛ける!
――――が、しかし!!

EXクッパ「グファファファ!!後継が丸見えだ!!蹴散らしてくれるッ!!」

そう……そもそもジェットストリームアタックは縦一列に並んで突進し、連携攻撃を仕掛ける技なのだが……
この技の醍醐味は一番前がその後ろの者を隠す役割を果たしていることなのだ!
一人の敵が向かってきたと思ったら実は三人いた!と思わせて、連携攻撃をするのである。
だが!ノコブロス隊とEXクッパの体格差はおよそ5倍近い!
つまり後ろの3匹が丸見え!EXクッパに対してこの技はまったくもって意味をなさないのである!

ドガッ!
EXクッパのキック一発であっけなく吹っ飛ばされるノコブロス4匹。

ノコブロス赤「ぐわぁあぁ!!」
ノコブロス黒「畜生!」

パラレラー「怯むなぁッ!!どんどん攻撃しろい!!アイスビットォ!!」
EXクッパ「氷の粒など、この私には通用せん!!」
マルキー「じゃあ同時にアッツアツの火球はどうだッ!ファイガ!!」
EXクッパ「チィッ!!小癪な……!!」
デリー「いいぞ!効いている!!」
サーズ「いや……言うほど効果はないようだの……。だが、これでも何もせんよりマシだ!クラウダッ!!」

ベンジャミン「いぃぃぃくぞぉぉぉぉ!!!ハンマー乱れ投げじゃぁぁああぁぁあぁぁぁーーーーーーーーーッ!!!」
ハンマーブロス1「我らも隊長に続けーーーーーッ!!」
ハンマーブロス小隊「「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」

狭間の住人1「我らも負けてはいられないな……!キノコの狭間の住人の強さ……エクスデスとやらに見せつけるぞ!」
狭間の住人2「やってやるさ……!たとえ息絶えようとも……!!」
狭間の住人3「一矢報いるッ!!」

地上メンバーの総攻撃を受け続けるEXクッパ!
しかし……!俄然、余裕の表情……っ!!

EXクッパ「グファファ!!そろそろ反撃させてもらうぞ!!」
Wしんくうは!!
両腕を大きく振りかぶり、前に交差させるかのように振り下ろす!
2つの目に見えない真空波が地上メンバー達を切り刻んだ!

ハンマーブロス5「ひぎぃっ!!」
ベンジャミン「コッテェェェ!」
狭間の住人6「無……念………」
ガボン兵C「お、俺の鉄球が真っ二つに~~!?」
サーズ「うぐっ!わしのヒゲが少し持っていかれたか!」
マルキー「バケモノが………ッ!!今の一撃で何人が死んだ……!?」

EXクッパ「この通り……やろうと思えばいつでも殺せるのだ……!つまらないから少し戯れてやったがなぁ……!」
パラレラー「ふざけるな!キサマ……キサマなど……この私がぶっ飛ばしてやるわッ!!」
EXクッパ「自殺志願者か?グファファファ!!よかろう!かかってこい!!」
パラレラー「吠え面かくんじゃないぞ!ブリザードストームッッ!!!」

パラレラーの持つ氷の杖から、常人なら吹き飛ばされるほどの勢いで冷気の渦が発射された!
狙いはEXクッパ一直線に向かって行く……!!
マルキー「あいつ……あんな技を隠し持っていやがったのか……!!」
サーズ「この魔法力……いくらEXクッパと言えど、無傷では済まんはずだ!!」
EXクッパ「確かに、こいつは驚いたぞ。まさかそんな芸当ができるとはな。だが―――――」

EXクッパ「――――ファイガブレスッッ!!」
EXクッパの口から放たれた火炎の息吹は、パラレラーのブリザードストームを相殺してしまった……!

EXクッパ「喰らわなければ無傷だ……グファファファ」
パラレラー「バカな……私のとっておきが……。ただの息吹で……」
EXクッパ「ただの息吹ではない。この体の持つ火炎袋と私の魔法力を掛け合わせた強化ブレスだ……!
       クッパの通常の炎の息吹なら相殺は無理だっただろう。その技は誇ってよい。だが、相手が悪かったなぁ?グファファファファ!!!」
パラレラー「ダメだ……勝てない……!勝てっこない……ッ!!」
デリー「ぱ、パラレラー様……。」
マルキー《勝てっこないだって……?んなこたぁ最初からわかってんだよ……!》
マルキー「でも、やるしかねーんだッ!!パラレラー!今のもう一発撃てるか!?」
パラレラー「……………………。」
マルキー「パラレラー!!
パラレラー「……………………無理だ……勝てっこない………。」
マルキー「ちぃッ!!仕方ねえ!やるぞサーズ!!本気出せよぉ!!」
サーズ「さっきから本気の本気だ!!」
マルキー「じゃあ本気の本気の本気を出しやがれッッ!!
サーズ「無茶言いおってからに………………よかろうッ!!

EXクッパ「今更本気がどうのこうの――――――――― ………なっ!?」

エクスデスが驚くのも無理はない。
目の前にいるキノコ族の二人から感じる魔力が、今までとは比べ物にならないほど大きくなっているのである……!

ノコブロス緑「す、すげぇ……!魔法とか全然わからない俺でも……すげぇってわかるぞ……!!!」
ハンマーブロス3「俺達とは次元が違いすぎるじゃねえか、おい!」
狭間の住人2「これは……この法はまさか……!!」
EXクッパ「ぐ……、キサマら……どこにそんなパワーを隠していた……!?」
マルキー「隠してねえよ………この力の源は……み~んな持ってる……!!」
サーズ「老い先短いわしらぐらいしか……使わんがなぁ!!」
デリー「ど、どういうことだ……?おい、あんた!知ってる風だったな、今!」
狭間の住人2「え、ええ……。おそらく2人が使っているのは錬力術……!!」
マルキー「そう……!俺達は力を錬って錬って錬りまくって、こんな強化をしてるわけだ。すげぇだろ…!」
ノコブロス黄「すごい……!そんなことができるなんて……」
サーズ「しかし……!!その力を生み出すための対価はなのだ……!」
デリー「……!!」

マルキー「今までは、ちょっとばかし覚悟が足りなかったみてぇだからな……。自分も助けて世界も助ける、なんて甘い考えはもう捨てたぜ。」
サーズ「命を削って力を得る……!一時的だが、これならばEXクッパに勝てる可能性も出てくるのだ!!」
EXクッパ「フン!!今までと比べればすごい……すごいが……、それでも私にはまだまだ及ばぬわ!!所詮……虫ケラの命よ!」
マルキー「それは……どうかなッ!!」
EXクッパ「――――――ッ!?」

マルキーが手の平をEXクッパに向けた瞬間、EXクッパの体は後方に吹き飛んだ!
吹き飛んだ先にサーズが現れ、今度は上に吹き飛ばすッ!

EXクッパ「……!? なん……だとぉッ……!?」

わけのわからぬうちに地上20メートル程まで浮き上がったEXクッパ……!
そこにマルキーが現れるッ!両手には目視できるほど溜めた魔法があった!
マルキー「喰らいやがれぇッ!!クラッシュボムッ!!」
EXクッパ「ぐッ……ぱぁッ!!」

零距離でEXクッパの腹に爆発する魔法を叩き込んだ!
EXクッパはその勢いで地上に叩きつけられる……!

サーズ「まだまだ終わらんぞ!フラッシュミスト!!」
EXクッパ「ぐっ!?視界を奪う技だと……!?」
マルキー「目が見えねぇ上に寝っ転がったままでいいのかぁ!?レインソード!!」
EXクッパ「フン…!その技は殻に篭れば……………んぐっ!?」

マルキーの放ったレインソードは、EXクッパの甲羅ごと貫き、地面まで貫通した!

EXクッパ「グフッ………バカな……ッ!?」
マルキー「単純に技の威力も上がってんだ!なめるなよッ!!」
サーズ「視界を奪って避けるという選択肢を消すのも戦術の内……!この勝負、見えたな!」

その後もマルキーとサーズの連携攻撃は続く……!
EXクッパは反撃を試みるも、視界を奪う技と俊敏な動きに惑わされ、数回程しか攻撃を当てられなかった。
ジワジワと、しかし確実にEXクッパの体力をすり減らしていく2人!
この戦い、誰もがマルキー達を優勢と見ていた!!
―――――しかし!そう上手くはいかないものである!

EXクッパ「グゥ……ッ!!この私が……ここまで……やられるとはぁッ!!」
マルキー「へへっ……重いだろうが……!虫ケラの命ってやつはよぉ………!!」
EXクッパ「グ……ファファファ……!!しかし、私はまだ……行けるッ!!貴様らは既に力が落ちてきているではないか!!」
サーズ「ぐっ……シブとい奴め……!わしらはもう……時間切れなのか……!!」
マルキー「まだだ!まだやれ――――――ッ!?」

マルキーが気を張ろうとしたその時、足に力が抜け、膝を地につけてしまう……。

マルキー「嘘だろ……もう限界だってのかよ………」
EXクッパ「グファファファファ……!!惜しかったな……!もう10分程、あの猛攻を続けられていたら……!この私とて危なかった!」
サーズ「齢には……勝てぬか……。もう5年ほど若ければ……もう10分は持っただろうに……。」
マルキー「外見は若くても………やっぱダメかよ……。力が……入らねえ………。」
ノコブロス黒「あんなに押してたのに……ダメだったのかよ……!」
トゲノコB「どうして……神様は俺達に味方してくれないんだ!」
EXクッパ「グファファファ!!残念だったな貴様ら!!貴様らが一瞬だけ垣間見た希望は!!再び絶望へと変わるのだ!!」

 この戦い、マルキーが主人公であったならば……EXクッパに勝っていたかもしれない。


EXクッパ「それでは……命を削りつくして皺くちゃに萎んだチビ老人と、元々老人だったのがさらに老けた老人を、始末してやるとしようか!!」
マルキー「これで……終わりか……」
サーズ「あとは若いもんに任せるしかない………」
EXクッパ「グファファファーーーーファファファッファッファ!!!死ねぇぇぇぇぇーーーーーーッ!!!」
マルキー《くっ………!ミラ……!!》

 しかし!この物語の主人公は!

ガキィィン

EXクッパ「ぐおぉッ!?な……何だ今のは!?」
マルキー「…………?……生きている……?」
ノコブロス赤「何者かが……エクスデスの振り上げた腕を攻撃した………ッ!!」
デリー「何者かって……何者だよ!?

???「決まってるじゃないか。この小説の主役と言えば……?」

 この男を除いて他に無いッ!!


マリオ「待たせたな!スーパーマリオのご登場だ!!」

EXクッパ「なっ……なんだとぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!?何故キサマが生きているのだぁぁぁーーーーッ!!?」
マルキー「マリオ……お前……メテオに潰されて……死んだはずじゃ………」
マリオ「俺もあの時は死んだと思った。でもな、今じゃこの通りピンピンしてる。幽霊じゃないぜ?」
ルイージ「ちゃんと俺もいるぜ、師匠!」
ヨッシー「僕も無事ですよ!」
ワリオ「まぁ、俺もいるわけだが。」
ノコブロス赤「マ……マリオ達が………!!?」
狭間の住人1「生きておられたのですね!マリオ殿!!」
ベンジャミン「マァァァァリィオォォォォォ!!!???」
デリー「何でだ……マリオは敵だってのによぉ………なんであいつらが生きてて俺は喜んでんだ…!?」
サーズ「ふふ……遅すぎだろうて………」
マリオ「ヒーローは遅れてやってくる、ってな!でも……遅れてすまん!」

ルイージ「師匠!後は俺にまかせて、回復に専念してください!」
マルキー「ルイージ……俺はもう手遅れだ……。手を貸せ……。」
ルイージ「な、何言ってんのさ!?」
マルキー「いいから手だ!手をこっちに向けろ……!」
ルイージ「あ…ああ、わかった!」

ドッギュゥゥゥゥゥン

ルイージ「!?
マルキー「俺の最後の魔力……お前にくれてやる………。……あとは……まかせた……ぜ……。」
ルイージ「師匠ッ!!―――――ッッ!!」
マルキー「―――――」
ルイージ「そんな……!?嘘だろっ!師匠!目を……目を開けてくれッ!!」
サーズ「マルキーとわしは……自分の命を力に変換してEXクッパと戦っていた……。だからどの道、すぐに死んでいたのだ……。」

ルイージ「……だから俺に……力を託して……。」
       《師匠………絶対に……勝ちます……!!》

マリオ「マルキー………、死んじまったのか……。」
EXクッパ「グ……、くだらぬわ……!奴の魔力の残りカスを吸ったところで、私との力量差はどうにもならんだろう!!」
ルイージ「ッ!……エクスデス……!」
EXクッパ「それにだ……!貴様らが生きていたことには驚いた!だが……それがどうした?」
マリオ「……………。」
EXクッパ「私がクッパと融合している状態はおろか、幽体時でさえ、貴様らは苦戦していたのだぞ?
       それが……どうにかなるとでも思っているのか!貴様らなど、脅威でもなんでもないわ!」

ノコブロス黒「たしかに……クッパ様の話では、マリオ達はエクスデス相手に大苦戦してたらしいな……。」
トゲノコA「融合状態が解けたのはパワーアップしたカメック様のおかげ……だったんですよね……。」
EXクッパ「グファファファファ!!その通り!!マリオ達など、簡単に捻り潰せるのだ!!」

マリオ「どうかな。」
EXクッパ「――――!!
ヨッシー「僕達があの状況から、どうして生きてここに戻ってこれたか、不思議に思わないんですかね。」
ルイージ「……師匠から受け取った力だけじゃない……。俺は……俺達4人はさっきまでとは違う!!」
EXクッパ「何を……ほざくかッ!ハッタリだ!」
ワリオ「まぁ、仕方ねえよな。俺がお前の立場ならそう思うぜ。でも、俺は当事者だからな。」
マリオ「エクスデス……、お前はこの世界を引っ掻き回しすぎたぜ。」

突如、マリオ達4人から眩い光が煌いた!
マリオは、ルイージは、ヨッシーは、ワリオはの光を放っている!

EXクッパ「なんだ……!?マリオ達から放たれている……このオーラは!?」

???「我が彼らに力を貸したのだ………

EXクッパ「………だ……だれだキサマは…!?」

マリオ達4人の後ろに異様な姿をした者が現れる。
その姿は紫色の肌をした人間、背中には翼、下半身はクリスタルの結晶で出来ていた……。

???「わが名はクリスタラー……。この世界のクリスタルを管理せし者……。
EXクッパ「ク……クリスタル……ッ!!」
クリスタラー「キサマはこの世界にいてはならぬ存在なのだ……。
EXクッパ「クリスタルなど……怖くはないッ!!サンダガブレス!!」
マリオ「!!」

しかしEXクッパの攻撃はクリスタラーの体をすり抜けてしまった。

クリスタラー「無駄だ。今ここにある我は実態ではない……。世界に直接干渉することはできぬからな……。
EXクッパ「だから……マリオ達に力を与えたと……!?」
クリスタラー「そうだ……。
EXクッパ「バカな!その力は一度、あのカメックとかいう亀に与えただろう!」
クリスタラー「器に見合う分量………だけな。
EXクッパ《あのパワーで……だと……!?》
マリオ「カメックには火・風・水・土の力をそれぞれ入りきる分だけ与えたらしい。」
ルイージ「でも俺達は……一人一人違う力を目一杯入れてもらった……。」
ワリオ「つまり、大幅にパワーアップした俺達4人が、お前の相手になるわけだ。」
ヨッシー「ざっと、あの時のカメック4人分って所ですかね。」
EXクッパ「そんなことがあってたまるか!!貴様らなど……あの時と変わらぬわぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」

クリスタラー「行かれよ、クリスタルの心を宿し者達……!!悪の魂を滅するのだ……!

マリオ「行くぜ!!まずはクッパの体から追い出すんだ!」
ルイージ「OK!」
ヨッシー「息を合わせますよ!!ほら、ワリオさんも!」
ワリオ「わかってらぁ!!」

4人の力でカメックがやった時と同じように、クッパとエクスデスの幽体が分離された!

エクスデス「ぐあっ……!ま…まさか……クリスタルの力は………」
マリオ「クッパ軍団!クッパの体をエクスデスから離してくれ!!」
デリー「りょっ…了解ッ!!」
マリオ「おっし!後は俺達4人に任せて全員避難してくれ!」
狭間の住人4「わかりました…!我々がいては逆に足を引っ張りそうです…!」

マリオ「わるいな…。………そんじゃ、いくぜエクスデスッ!!フレイムブラスト!!」
エクスデス「ッ!!グオォォォォォッ!!!バカな……この威力は………!?」
クリスタラー「マリオに与えし力はの力……湧き上がる勇気の炎だ!
ルイージ「エアロガ!!」
エクスデス「こ…こんな威力のエアロガがあるかぁーーー!!!」
クリスタラー「ルイージに与えし力はの力……吹き荒ぶ孤高の旋風だ!

ワリオ「俺は己の肉体一つで勝負するぜ!!ショルダータックル!!」
エクスデス「これは……!!肉体が無いから物理攻撃は効かんわッ!!」
クリスタラー「ワリオに与えし力はの力……鋼の肉体をつくる不屈の体力だ!
ワリオ「幽体のエクスデスには効果ねーじゃんッ!!」
クリスタラー「それは………すまぬ。
ヨッシー「ぼ、僕の力は……?」
クリスタラー「ヨッシーに与えし力はの力……清く正しく心優しい労わりの精神だ!
エクスデス「それが……どうしたというのだ!!」
ヨッシー「少なくとも戦闘用じゃないですよね…?」
クリスタラー「それは………すまぬ。
マリオ「マジメなシーンにギャグ入れんなッ!仕方ねえ、ルイージ!俺達だけでも!!」
クリスタラー「待つのだ……。奴を倒すには4つの心が一つにならなければならない……!
ワリオ「連携攻撃は無理だぜ!?どうしろってんだ!」
マリオ「攻撃することだけじゃない……、何か一つ、俺達4人が一つになれることがあるはずだ!!」

マリオ達4人がエクスデスから意識を放したその時……!

エクスデス「ファファファ!隙を見せたな!!このままタダでは終わらせん!」
ルイージ「あっ!しまった!!」
エクスデス「もう遅いわ!アルマゲスト!!!」










マリオ「………?エクスデスの攻撃が来ない……?」

マリオが防御の体制を解き、エクスデスがいた方向を見据える。
……が、先ほどまでエクスデスがいた場所には何もいなかった。

エクスデス「グ……グゴガッ………!!」
ヨッシー「エクスデスがダメージを!?」
ルイージ「俺達4人は何もしなかったよな……?」
クリスタラー「………仲間……か…。

クリスタラーが向いた方向には―――――

マリオ「………あいつ……パラレラーか!?」

氷の杖を正面に向けた格好のままのパラレラーがそこにはいた。
エクスデスがアルマゲストという技を放つ瞬間、後ろからブリザードストームを直撃させたのだ。

マリオ「パラレラー!」
パラレラー「クッパ様を助けてくれた礼だ……!貴様らを助けたわけではない……。」
マリオ「へへっ、そういうことにしといてやるよ!ところで、避難しろっつったのに、なんで残ってたんだ?」
パラレラー「今はそんなことを言っている場合ではない!エクスデスが立ち直るぞ!」
エクスデス「伏兵……かぁ……!!!?キサマぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」

マリオ「攻撃はさせない!ラッシングバーナー!!」
ルイージ「スパークショック!!サンダーストライク!!」
エクスデス「ンッ…グオオォォ!!クソがぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」

ワリオ「ちくしょう……俺達は見てるだけかよ!せっかくクリスタルの力を手に入れたってのによ!」
ヨッシー「そうですね……でも僕達もエクスデスを倒すのに必要な力を持ってるんですよ!」
ワリオ「そんなこたぁわかってるっつーの!でもどうすりゃいいかわかんねえだろ!」
ヨッシー「だからって僕に当たらないでくださいよ!」
ワリオ「む……そうだな。4つの心を一つにとか言ってるのに、仲間割れしてどうすんだって話だ……。」
ヨッシー「4つの心を一つに………。…………ハッ!!」


マリオ「ちッ!いくらダメージを与えても、肝心のトドメが刺せねえみたいだな……!」
ルイージ「兄さん!やっぱり俺達4人の心を一つにするんだよ!」
マリオ「それがわかったら苦労してないだろ!それとも何かわかったのか?ルイージ。」
ルイージ「いや……さっぱりだけどさ…。」
ヨッシー「マリオさん!ルイージさん!!わかりました!4つの心を一つにする方法!!」
マリオ「何ィ!?4身合体でもしろってのか!?」
ヨッシー「違いますよ!至極単純なことです!!みんな!今の目標はなんですか!?」
マリオ「平和を勝ち取ることだ!」
ルイージ「主役になること!」
ワリオ「金持ちになる!」
ヨッシー「ちがーーーう!!人生の目標じゃなくて、たったいま!ナウ!現在の目標ですよ!」
マリオ「そりゃ決まってるだろ!エクスデスを――――――はっ!!
ルイージ「そうか……元々俺達4人の意志は一緒だったんだ。」
ワリオ「エクスデスを……ぶっ倒す!!
ヨッシー「そうでしょう!!」

クリスタラー「よくぞ気がついた……!あとは……クリスタルの力で心を同調させるのみ!
エクスデス「何を……何をする……気…だ……!?」
マリオ「エクスデスは俺達の攻撃で動きが鈍い……。決着をつけるなら今しかねえ!」
ルイージ「ああ!今こそ4人の心を一つに……!」
ワリオ「へっ、恥ずかしいじゃねえか。でも……今はいいかもな!」
ヨッシー「心を解き放ちましょう!僕達の4人と……クリスタルの心を!」
エクスデス「や…やめろ……!!やめろォォォォォォーーーーーーーーーーッッッ!!!!!

マリオ達4人からそれぞれのクリスタルの色をした力が放出し…………
まるで何かの意志を埋め込まれたかのように……エクスデスに向かって飛んでいった………!!

エクスデス「バ…カ…ナ……コノ…ワタシ……ガ……!!」
マリオ「消えろエクスデスーーーーーッ!!!消えちまえぇぇーーーーッ!!」
エクスデス「……ウゴッ……ゴゴゴゴゴゴ!!!!












クリスタラー「異世界より来た邪悪なる魂は消滅した……そなたらの活躍によってな……
マリオ「それもこれも力を俺達に貸してくれたアンタのおかげだぜ。俺達はサポートみたいなもんじゃねーか。」
クリスタラー「我は直接的な干渉を禁止されているゆえ、そなたらに頼る他なかったのだ
ワリオ「ガハハハ!!じゃあ俺達の手柄でいいじゃねえか!」
ヨッシー「いいんですかね~?」

テレサウルス「ヨッシーくぅぅぅぅぅぅん!!!!!」
ヨッシー「テレサウルスくん!?よかった!無事だったんだね!」
テレサウルス「ヨッシーくんこそ!死んだかと思ったんだよ!?」
ヨッシー「心配かけてごめん!」
テレサウルス「マリオさんも!ご無事で何よりです!」
マリオ「おう。そういや、この物語もお前がうちに来たところから始まったんだよな。」
テレサウルス「そうですね……。数ヶ月前なのに、もう何年も前の話に思えますね……。」
マリオ「まぁ、1話と2話の接点がまるで無いけどな。ストーリー的には1話いらねえし。」
テレサウルス「それは言わない約束ですよっ!」

ナレさん「いやぁ~~!それにしてもマリオさん!!生きていたとはっ!!」
マリオ「おっ、後半まるでナレーションしてないナレーターじゃないか。」
ナレさん「あ、あはは……。エクスデスが恐怖過ぎてナレーションしてる場合じゃありませんでした!」

クッパ「マリオ……。」
マリオ「ん、クッパ!もう大丈夫なのか?」
クッパ「いや……ボロボロだ……。だが、スジは通しておかないといかんのでな………。
     マリオ、今回の戦……お前と戦うはずが、こんなことになるとは思わなくてな……。なんと言おうか……すまない……。」
マリオ「まったくだ。ピーチ姫の記憶を奪って、色々と策略してたらしいが……。あのバケモノの封印を解いたのは大きな過ちだぜ。」
クッパ「うむ……。本当にすまなかった……。ピーチ姫の記憶は、先ほど部下に戻させた……。今は眠っているが…、時期に目を覚ますだろう…。」
マリオ「これで解決か……。まったく、長かったなぁ。狂言で始まったピーチ姫の記憶喪失事件………。」
クッパ「ワリオも……この戦いに巻き込んで済まなかった……」
ワリオ「ハッ!すまないと思うなら約束の財宝ぐらい用意してくれて良いんじゃねーか?」
クッパ「む……、善処しよう……。」

ヨッシー「ところで……長老とミラさんの姿が見えませんね。ピーチ姫のところにいるんでしょうか?」
テレサウルス「あ……ヨッシーくん……。その二人は……」
ナレさん「エクスデスの魔法で……消えちゃったんです……」
マリオ「なんだって!?ミラさんと長老が!?」
クッパ「ラリーやレミーも同じような技で消されてしまったのだ……。」
マリオ「チッ…!エクスデスの野郎……!!」
クッパ「……………我輩は……」
ノコブロス黒「クッパ様………」

ルイージ「………………。」
マリオ「ルイージ!どこ行ってたんだ…?」
ルイージ「師匠とサーズさんの亡骸を埋めてきた。………ミラさんは?」
ヨッシー「実は……かくかくしかじかでして……。」
ルイージ「そうか………。」

ルイージ「師匠、コンソメ、長老、ミラさん、サーズさん………さらにキノコ王国のみんなも死傷者が多すぎる……!
       クッパの軍団も例外じゃない……。戦争なんて……戦争なんて………!!」
マリオ「クッパとは今まで何度も戦って来ただろ。今更そんなこと………」
ルイージ「それにしたって今回の戦は酷い!それもこれも第三者であるエクスデスの介入のせいかもしれないけど……!!
       クッパ!もう二度と……もう二度とこんな戦争は起こさないと誓ってくれ!そうでないなら俺は……!俺は……!!」
クッパ「……残念ながらそれだけはできん。」
ルイージ「なんでだよ!お前だって……腹心のカメックや、コクッパ7人全員失ってるだろ!?まだこんな不毛な争い続けようってのかよ!?」
クッパ「だから……殺せ。」
ルイージ「!?」
クッパ「その約束だけはできない。だから殺せと言ったのだ。」
ルイージ「………。」
クッパ「我輩はクッパ軍団を率いる大魔王クッパだ。不戦協定を結び……部下からの信頼を失うならば、我輩は死を選ぶ。………殺せ。」
ルイージ「………………できるわけ……ないだろ………。」
マリオ「ルイージ………。」
ルイージ「もう……どっか行ってくれ……。」
クッパ「…………すまん……。クッパ軍団、引き上げるぞ……!」

クリスタラー「それでは我もあるべき場所へ戻る
マリオ「モンスタウン、だっけか。封印されてる扉の………。」
クリスタラー「そうだ……。だが、もう当分その扉は開かれまい……。もう会うこともないだろう。
マリオ「おう。元気でな………ってのはおかしいか。アンタ、人間っつーより神っぽいしな。」



~数日後……マリオの家~

マリオ「まーだしょぼくれてんのか!ほらルイージ!元気出せって!」
ルイージ「はぁ。なんか疲れちゃってさ。この前の戦いで燃え尽きちゃったよ……。」
ヨッシー「ルイージさん、頑張りましたもんね。」
ルイージ「でも……失うものばかりだったよ。当分は誰とも争いたくないね。」
マリオ「なに言ってんだ!お前の念願叶ったじゃねえか。」
ルイージ「え…??」
マリオ「主役だよ、しゅ・や・く!!」
ルイージ「はぁ?」
マリオ「この物語、最初から思い返してみたけどさ。どうも、俺よりお前のが目立ってんだよなぁ。」
ルイージ「………………………たしかに、そうかも。」
ヨッシー「マリオさん、途中、死んでましたからね。」
マリオ「そうそう。その点、ルイージには弱い立場からの成長思わぬ能力開花共に戦った仲間の死
     師匠の死に際に力を受け取るetc...、主人公にありがちなイベントをこなしまくってるんだぜ?」
ルイージ「ほ、本当だ……。この話の主人公って俺だったの……!?」
マリオ「くやしいが、主役はお前だ、ルイージ!」
ルイージ「イヤッホォォォォォーーーーーーーーー!!!俺が主役だぁぁぁあーーーーーーッ!!!

ヨッシー「げ、元気になりましたね、ルイージさん。」
マリオ「ま、これでいいのさ。いつまでも沈んでるなんて、わが弟らしくない。」
ヨッシー「……で、結局どうなんですか?マリオさん、主役じゃなかったんですか?途中ですごいナレーションと共に主役アピールしてましたけど。」
マリオ「あぁ。最後まで抗ったんだけどな。なんかルイージの方が目立つ要素多かったし。」
ヨッシー「良いんですかそれで!タイトルは小説 スーパーマリオですよ!?」
マリオ「ハッハッハ!いつも俺が主役だし、たまにはルイージ主役っぽい扱いでもいいんじゃないかな!」
ヨッシー「しょ、勝者の余裕ってやつですか………。」

ルイージ「ヒャッホーーーー!!この話の主役は、お・れ・だったーーーーーーッ!!!嬉しーーーーーっっ!!!


おしまい




【あとがき】
これにて「小説 スーパーマリオ」は終了です。
最後の最後でルイージ主役オチだったわけですが、タイトルは変更しません。
まぁ、成り行きで話を作っている自分らしいオチってことで。

最後の最後、重くなったり軽くなったり、温度差が激しいですが
どうも自分は話を重くするクセがあり、やる夫スレなどを書くときもそれが弊害になったりするんですが
今回、エンディングだけは明るくしようと、そう思いあんなオチにしてしまったわけです。
いろいろと投げっぱなしで終わってるのも、これ以上重くするわけにはいかない、ということで……。力不足過ぎですね。

思えばこの小説の第一話を書いたのは約6年半前になるんです。
当時はまだバリバリのリアル中坊で、見るに耐えない文章をよくもまあひけらかしていたもんです。
1~6話は見るに耐えないという理由で5年前に削除、今の1話は当時の7話なんですね。
現在の1~10話も、ちょっと見るに耐えない展開ですが、旧1~6話よりは全然マシです。ホントに。

そして約2年9ヶ月前、11話以降を書くキッカケになったもなちゃとで出会ったM氏(匿名)。
彼がいなければこの小説は完結していなかったと思います。あと協力してくれたV氏(匿名)等にも感謝してます!
あと、10話と11話の間で作者が何かを取り込んでしまったのは明白だと思います。FFネタ増えすぎw

もうすぐ二十歳だってのにこんな駄文書いてて本当に駄目な作者ですが、
「一つのものを終わらせた」という自己満足がすべてです。19話と20話の間が1年も開いちゃったけど。
こんな作品でも楽しんで見てくれた人がいればいいな、と思いつつ〆させていただきます。

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!