小説      スーパーマリオ



第十六話   「決戦」
 


《 》は口に出していない言葉
“ ”はささやき
:あらすじ:
ついに正体を現した黒幕エクスデス。
過去に、とある世界の脅威だったこの男は、クッパの体を乗っ取りさらに強力な力を手に入れていた。
生き残りのコクッパレミーとの前哨戦も余裕で勝利し、ついにマリオ達との戦いがはじまる。



EXクッパ「グファファ・・。まずはお前に一発、攻撃をさせてやろう・・。なんでもいい。技を出して来い。」
マリオ「なに・・?それじゃあ遠慮なく・・・」
ワリオ「待て、俺がやる。」
マリオ「おいっ・・・。」
マリオを制止して一歩前にでるワリオ。
EXクッパ「どっちでもいい。はやく攻撃して来い・・・。」
ワリオ「マリオ・・。こうなったら俺も腹をくくるぜ。・・・エクスデス、覚悟しやがれ!」
腕に力を込めるワリオ。そしてEXクッパに向かって走り出す・・!
ワリオ「喰らえッ!最大威力ワリオパンチッ!!!」
バキィッ! EXクッパ「・・・グッ!!!」
パンチの衝撃で後ろに吹っ飛ばされるEXクッパ。
マリオ「あの巨体を吹っ飛ばすか・・!威力は本物らしいな・・。」
ワリオ「ったりめーだ!」
・・・・しかし、EXクッパは悠々と立ち上がった。
EXクッパ「グファファファファ!!最大威力でやっとこの甲羅にヒビが入るぐらいか・・!!」
ワリオ「・・ッ!いくらなんでもそりゃねえぜ・・!!」
マリオ「おそらくエクスデスの魔力で防御力があがっているんだ・・。」
EXクッパ「では、こちらから行くぞ!」
サンダガブレスッ!
マリオ「あぶねっ・・、電撃かっ!」
高くジャンプしてサンダガブレスをかわすマリオ。だがっ・・
ワリオ「ぐあああああああああっ!!!」
マリオ「ワリオ!?」
EXクッパ「避けられなかったようだな・・、ワリオ・・!」
ワリオ「くそっ・・体がシビれる・・!!」
マリオ「やってくれるじゃねえかっ!」
空中で体勢を立て直し、クラッシュジャンプの構えに入るマリオ。
クラッシュジャンプ!!
EXクッパの鼻っ面にクラッシュジャンプが炸裂した!
マリオ「どうだ!」
EXクッパ「グファファ・・!そんな技・・・効かぬわっ!!」
真空波
自分の鼻先にいるにもかかわらず、マリオに真空波を放つEXクッパ。
クラッシュジャンプ後の体勢が整っていない隙をつかれたマリオは
その攻撃を完全に避けきれず、真空波は肩をかすめた。
マリオ「ぐっ!!」
EXクッパ「腕は2本あるのだっ、マリオ!!」
真空波
右手で真空波を飛ばした直後、EXクッパは既に左手を構えて真空波第二波の準備をしていたのだった。
しかし第一波が肩をかすめてすぐに体勢を整えていたマリオは第二波をギリギリでかわす事ができた。
真空波をかわしたマリオは床に着地した。
マリオ「ッツ・・!てめえには技後硬直ってもんがねえのか・・!!」
EXクッパ「この程度の技、硬直せずとも乱発できる・・。第二波で焦ってるようなら次はかわせんぞ・・?」
そう言うとEXクッパは両手を縦に、横に軽く振った。
マリオ「真空波の両手同時撃ちっ・・!!しかも2連か!」
4つの見えない刃は高速でマリオに接近する・・!
マリオ「生憎だが、この距離なら何連でも避けきる自信がある・・!」
マリオは持前の脚力で横にステップをし、真空波をかわした。
EXクッパ「では・・、避けきってみろ・・!!」
右手、左手を交互に振り、無数の真空波を飛ばしてくるEXクッパ。
その攻撃をマリオはEXクッパを中心に回るようにしてすべてを避けきった。
EXクッパ「・・・・グ、調子に乗り過ぎたようだな・・。」
攻撃をやめたEXクッパにマリオは言った。 マリオ「真空波はたしかに恐ろしい技だ。近距離でも遠距離でも威力は変わらず、技のスピードが速い。しかも見えないと来た。」
EXクッパ「・・・。」
マリオ「だが・・、技の軌道はお粗末なもんだ。途中で曲がることなく一直線の攻撃。これじゃあある程度距離が離れてれば避けるのは簡単だな?」
EXクッパ「・・・グファファ・・、どうやらクッパの体を使ってるおかげで頭がバカになっているようだ。」
ガシッ
ワリオ「・・そうみたいだな!」
EXクッパ「ワリオ・・!?」
いつの間にかワリオがEXクッパの尻尾をガッシリと掴んでいた。
ワリオ「ダーッハッハッハ!!俺様が背後から忍び寄ってるのに気付かないなんて、そうとうなマヌケだぜ!」
EXクッパをグルングルンと回し始めるワリオ。
マリオ「いいぞワリオ!」
ワリオ「てめえはあのモニターにぶち込んでやるぜぇぇええ!!どぉりゃあああああ!!!!
顔面からカメラモニターに突っ込むEXクッパ!モニターのガラスが音を立てて割れ、破片が派手に飛び散った。
EXクッパ「ぐぬぬぬぬ・・・・!!!」
マリオ「すげえ馬鹿力だな・・!」
ワリオ「あのシビれるブレスの仕返しだ!!」
EXクッパ「チィ・・・!!お遊びはここまでだ・・・!」
モニターから体を抜いて再びマリオ達と対峙するEXクッパ。
EXクッパ「ここからは本気だ・・、容赦はせんぞ・・」
フレア
マリオ「こ、この技は・・!!」
ワリオ「な、炎に囲まれたぞ・・!!」
EXクッパ「マリオは見覚えがあるだろう・・?逃げ場は無いぞ・・!!」
マリオ「アルテマが放ったそれと攻撃範囲が格段に違う・・!!」
マリオとワリオを囲み迫りくる炎・・、マリオはこの炎に触れればどうなってしまうのか知っている・・。
ワリオ「これしきの炎・・!俺様のこぶしで・・っ!」
マリオ「やめろワリオ!・・これはただの炎じゃねえ・・!!どれか一つにでも触れたらその瞬間、すべての炎が爆発する・・!!」
ワリオ「な・・何だとぉっ!?」
EXクッパ「グファファファファ・・・!!」
背と背を合わせて出来るだけ炎に触れぬようにして策を練る二人・・。
だが、いくら策を練ろうとも炎が体に触れるのは時間の問題であった。
マリオ《アルテマが使った時より、炎の迫りが遅い・・!あの野郎・・、この状況を楽しんでやがるな・・!》
EXクッパ「いくら考えても無駄だ・・。そろそろ死ね!!」
ワリオ「くそおおお!!!」
マリオ《もうダメかっ・・!!》
2人はなす術もなく、EXクッパの放ったフレアの餌食となった・・。


ルイージ「クッパの部屋はまだなのか!?」
ラリー「もうすぐだっ!頼むから後ろから電撃撃つのやめてくれ!」
ルイージ「こうでもしなきゃちゃんと案内しないと思ってな。」
ヨッシー「ルイージさん、この戦いですっかり変わりましたねぇ。」
ルイージ「そうか?」
ヨッシー「マリオさんに近付いたというか・・、とにかくたくましい性格になったと思います。」
ルイージ「たくましい・・か。」
ラリー「つ、着いたぞ!ここが父ちゃんの・・・部屋だ!」
ルイージ「大丈夫か、ラリー。ヒーヒー言ってるぞ。」
ラリー「喘息持ちなんだよ!それなのにお前が急かすから・・!」
ルイージ「そりゃあ悪かった。だが、事は一刻を争うんだ・・。」
ヨッシー「大層な扉ですね・・。開けましょう。」
ルイージとヨッシーが二人して重い扉を開いた・・。

部屋に入った3人はその光景を見て唖然とした。
部屋の壁は穴だらけ、割れているモニター、崩れた玉座。
そこはもはや部屋と呼べる内装では無かった。
そしてボロボロになって床に倒れているマリオとワリオを見つけたルイージはすぐさま駆け寄った。
ルイージ「兄さん・・!?ワリオも・・!!」
ヨッシー「何が・・何があったんですか!?」
EXクッパ「グファファファ・・!!」
ルイージ「・・・クッパ!!」
ラリー「おい、誰だあいつ・・!あれは俺の父ちゃんじゃねえぞ・・!」
ルイージ「何・・!?」
EXクッパ「ほう・・、わかるか。わが名はエクスデス・・・、野望のためクッパの体を乗っ取らせてもらった。」
ラリー「ふざけんな・・・・、ふざけんなーーーっ!!!」
ルイージ「ダメだラリー!」
EXクッパ「雑魚に興味はない・・。消えろ・・。」
デジョン
ラリー「なっ・・!?」
マリオ「あ・・・あの・・技は・・・!!」
ヨッシー「マリオさん!?大丈夫なんですか!!」
マリオ「ああ・・、大丈夫じゃねえが・・・、まだ・・行ける・・!」
ラリー「せめて・・一矢でも報いてやる!!」
EXクッパに向けて炎のブレスを吐いたが、通用するはずもなくラリーはそのまま次元のはざまに消えた・・。
ルイージ「ラリー・・・!!」
マリオ「これでコクッパも・・・全滅か・・。」
ゆっくりと立ち上がるマリオ。だが、まともに立つことができない様子。
ルイージ「・・・ここは俺に任せてくれ。兄さんは少しでも休んで傷を回復するべきだ。」
マリオ「そういうわけにはいかん・・。今が俺の止めを刺す絶好の機会だ。奴が俺を放っておくわけが無い。」
EXクッパ「グファファ・・当り前のことだ。特にマリオは一番厄介だからな・・。」
ルイージ「だけど・・!」
マリオ「俺を守りながらの戦いじゃあいつには勝てない・・。ほら、ワリオも立て・・!お前ももう大丈夫なんだろ。」
ワリオ「ヘヘヘ・・、タフなのが俺の取柄だからな・・。もう少し休んでいたかったが・・。」
ズレた帽子をちょちょいと直し、ワリオが立ち上がった。
ワリオ《とは言ったものの、正直体中が痛いぜ・・。マリオの野郎も虚勢張ってるにちげえねえ・・。》
ルイージ「そうか・・。わかった。4人で戦おう・・!」
EXクッパ「何人いても一緒だがな・・。」
ルイージ「エクスデス・・・とか言ったな。道中、見たこともない魔法使いに会った。お前の仲間だろ・・。」
EXクッパ「仲間・・?異世界から呼び出した、ただのコマだ。お前らを倒すためのな。」
ルイージ「貴様・・・!」
マリオ「どうやら見覚えのない敵と戦ったのは俺だけじゃないらしいな・・。」
EXクッパ「結局、貴様ら一人も殺せない役立たずだったがな。・・・いや、たった一人、死んだマヌケがいたような気がするな?」
ルイージ「て・・・め・・・え・・・!!!」
マリオ《ルイージ・・!!》
ルイージ「お前だけは絶対に許さねえ!喰らえぇぇぇ!サンダーストライク!!」
EXクッパ「その程度の電撃を・・・喰らうとおもうのか!」
サンダガブレスでルイージのサンダーストライクを相殺したEXクッパ。
その直後、EXクッパは思いきりジャンプをした。
マリオ「まずいっ・・!ワリオ、ルイージ、ヨッシー!跳ぶんだ!!」
EXクッパが着地したとき、ネオクッパ城全体が激しく揺れ動いた。
ワリオ「危なかったぜ・・、あのまま地に足をつけてたらまともに立つことすらままならなかっただろうな・・。」
着地する4人。まだ城は揺れ動いていたがなんとか立てるぐらいに揺れはおさまっていた。
しかしEXクッパはもう一度高く跳び上がった!
マリオ「もう一度やる気か・・!?このままじゃ城が墜落するぞ・・!!」
地震の影響を避けるために再び跳び上がる4人。だが・・。
EXクッパ「引っかかったな・・!馬鹿め!」
マリオ「!?」
EXクッパは宙に浮いて動きを止めていたのだ。
ワリオ「浮いてやがる・・!?」
ヨッシー「まずいです!空中で攻撃を仕掛けられたら・・!!」
EXクッパ「グファファ・・!!4人一緒に氷漬けだ・・!ブリザガブレスッ!!」

空中で身動きが取れない4人に極寒の吐息が襲いかかった・・!!
つづく