小説      スーパーマリオ



第十五話   「黒幕の正体」
 


《 》は口に出していない言葉
“ ”はささやき
:あらすじ:
どんどん強敵を倒していくマリオ達。クッパ、および黒幕との決戦の時は迫る。
しかしそのころキノコ王国全土にアーリマンの放ったメテオが降り注ぎ、大惨事になっている事をマリオ達は知る由も無かった。


ルイージ「ふう・・・、兄さんやヨッシー達はどこにいるんだ・・?」
アポカリョープスを倒した後、ルイージは迷路のようなクッパ城を彷徨っていた。
ふとルイージは風が向かっている方向がある事に気づき、その方向に向かうことにした。
ルイージ「あ!ここはクッパ城の航空機格納庫・・!ハッチが開けっ放しじゃないか。どおりで風が通るわけだ・・。」
おそらくドンキーコングはこの格納庫を見つけ、いち早く逃げ出したのだろう。
しかしルイージはそんなことは知らない。
ルイージ「寒いからハッチ閉じてやるか。」
だが、ハッチの閉じ方がわからない。しばらく手こずっていると、一人の老いたキノピオがそこから侵入してきた。
年老いたキノピオ「おぬし、そこで何をしておる。」
ルイージ「うわっ!?あ、あんた誰だ!」
ハッチを閉じることに頭が回っていたルイージは、声を掛けられるまで老いたキノピオに気が付かなかった。
年老いたキノピオ「わしはサーズという者だ。おぬしは?」
ルイージ「俺はルイージ。」(見た目でわからないなんて、やっぱ俺って無名なのね・・;)
サーズ「ほう、どこかで聞いたことある名前だの。して、マルキーがここに来ていると聞いたが、おぬし知っておるか?」
ルイージ「師匠を探している・・?」
サーズ「・・・マルキーの弟子か。ふむ、あいつが弟子を取るとはな・・。」
ルイージ「俺も師匠を探してるんだ。みんなとはぐれちゃって・・・。」
サーズ「ならば共に参ろう。気を読めばすぐに見つかる。」


その頃、マリオとワリオはカメカメキッチンを後にして、再びクッパの部屋を探し始めた。
マリオ「どこにあるんだろうな・・、クッパの部屋・・。」
ワリオ「さあな・・。夢中で逃げてきたから道なんて覚えて・・・・ん?」
マリオ「どうしたワリオ。」
ワリオ「なんで俺もクッパの部屋を探してんだよ!?俺は格納庫を探してたはずだ・・!!」
マリオ「そんな事どうでもいいだろ。」
ワリオ「よくねえよ!俺は帰りたいんだ!じゃあな!」
そういって走り出すワリオ。
マリオ「あっ、まて!おい!」
ワリオを追って走り出すマリオ。だが、ワリオはすぐに立ち止まった。
マリオ「・・?なんで急に止まるんだよ・・。」
ワリオ「こ・・この部屋・・・!!」
マリオ「でっかい扉だなー。く・・っぱ・・の・・・、クッパの部屋!!?」
ワリオ「俺は帰るぞ!かえるぞ!かえるぞーーー!!!」
その時、
ドドドドドドドドドド・・・・・
地響きを上げて、ゆっくりとクッパの部屋の扉が開いた・・。
クッパ「よく来たなご両人。」
ワリオ「ばかっ、俺はもう帰るんだっ!」
マリオ「まだ言うかこのワリオ!ここまで来たらお前も一緒だ!」
クッパの部屋に足を踏み入れるマリオ。ワリオは嫌々ながらも結局部屋に入った。
部屋に入ったマリオは部屋の異変に気づいた。まがまがしい空気が部屋に充満しているのだ。
しかしワリオはそれ以上の異変に気づいていた。クッパの手下達が一人もいないのだ。
クッパ「グファファファ!どうやら気づいたようだな・・!」
マリオ「まさか・・!お前、クッパじゃないな・・!!」
ワリオ「マリオ!こいつは本気でやべえ!逃げるんだ!」
クッパ(?)「逃がさんぞ・・・!」
クッパの部屋の扉が閉まり、マリオ達は閉じ込められた。
ワリオ「あ・・、俺達、もうおしまいだ・・!!」
マリオ「なんでそんなに悲観的なんだよ!お前らしくないぞ!」
ワリオ「あいつの正体だ!あいつは・・・エクスデスっつーバケモノだ!!」
マリオ「エクスデス・・!!?」
クッパ(?)「その通り・・・だが、今の私はエクスクッパと呼んだ方がふさわしいがな。」
マリオ「エクスデスとクッパの融合体って訳か・・。」
EXクッパ「融合?これは乗っ取りだ。私は実体を持たぬの存在。体が無ければまともに戦えないのだ。」
マリオ「聞いたことあるぞ・・、エクスデスという男がその昔、4人の戦士によって無に帰らされたと・・・。」
EXクッパ「グファファ・・、そろそろ始めようか。早い所、貴様ら邪魔者を倒して、この世界を我が物にしたいからな・・。」

??「待てぇぇ!!」

コクッパの生き残り、レミーがどこからか現れた。
マリオ「レミー・・!!」
レミー「話は聞いていたぞ!父ちゃんを返せ!」
EXクッパ「貴様、何故ここにいる?ルイージの所に向かったはずだが・・。」
レミー「どこにいるかわからないから帰ってきたんだ!そしたらこの状況ッ!許さねーぞッ!!」
EXクッパ「グファファ・・、このエクスクッパ第一号の犠牲者にしてやろう・・。」
レミー「ふざけろ!おいらの分身技でぶっ倒してやるっ!」
そう言うとレミーは8人に分身した!
EXクッパ「グファファファ!!8人分身?まるで中学生の発想だな。」
この設定が書かれた十話を書いたのが中学生の頃なので、まさにその通りである。
EXクッパ「数が多ければ良いというものではないのだ・・!」
レミー「うるさい!いくぞ分身!」
エクスクッパに8人のレミーが同時に襲い掛かる!
ブリザガブレス!!
正面から飛び掛った2人のレミーが一瞬にして氷付けにされた。
マリオ「氷の息・・!?クッパのブレスと、エクスデスの魔力、2つあってこそ出来る技か・・!!」
EXクッパ「グファファ・・!もう6人だな・・?」
レミー「ひ、怯むな!いくぞー!!」
再び襲い掛かるレミー達!
しかしその直後、3人のレミーの体が真っ二つにされていた・・・!
ワリオ「・・!?いま何が・・!!」
レミー「ば、馬鹿な・・!!」
マリオ「奴は腕を振っただけだったぞ・・!レミーの分身にかすりもしてない!」
EXクッパ「真空波だ・・、元々私も使えた技だが、この体になったことで威力のキレが良くなっているな・・・グファファファ・・!」
レミー「う、うわああああああ!!」
すっかり腰が抜けてしまったレミー。残っている分身も消え、一人になってしまった。
EXクッパ「たった2度の攻撃で、もう怖気づいたか?グファファ、最後は一瞬で葬ってやろう。」
デジョン
レミー「あ・・うああ・・あああああ!!!」
2秒かかるかかからないかで、レミーはどこかに消え去った。

EXクッパ「グファファファファ・・、さぁ、次は貴様らの番だ・・。」


その頃、ヨッシー達は・・。
ヨッシー「あっ!あれはコクッパのラリー!!」
ラリー「んおっ!なんだゾロゾロと・・!!」
マルキー「こいつもコクッパか。さっさと片付けるぞ・・!」
ラリー「待って!待てって!俺はもうやられた後だ!もうやめてくれ!」
ミラ「あら、やられたのに生き残ってるのね。」
ラリー「命乞いしたら許してくれたんだよ。さすがマリオだぜ。」
マルキー「その様子じゃ、マリオの居場所を知ってるんだろうな。」
ラリー「え・・。たぶん父ちゃんの部屋に行ったと思うけど・・。」
マルキー「案内しろ、早急になっ!!!!
ラリー「は、はいぃ!わかりますたっ!」

サーズ「待てマルキー!」
マルキー「・・・っ誰だ!?」
サーズ「わしだ、サーズだ。久しぶりだの。」
マルキー「てめぇか・・。お、なんだルイージも一緒じゃねえか。」
ルイージ「おおお!師匠!ヨッシー!ミラさん!ナレさん!あと、ついでにテレサウルスも!!」
テレサウルス「ついでっすか!」
ナレさん「影薄いけど、そういう扱いって酷いと思いますよ。」
マルキー「んで、サーズ。何のようだ?」
サーズ「キノコ王国全土に隕石が落ちたのだ。まさかお前がメテオを使ったんじゃないだろうな・・。」
マルキー「馬鹿言うな!使ったのはクソ目玉野郎だよっ。」
ミラ「キノコ王国に隕石が落ちたですって・・!?」
ヨッシー「し、知らなかったです・・!!」
テレサウルス「あわわ・・マリオさんの家、大丈夫かなぁ・・。」
サーズ「それより、大変なのはキノコの狭間だ。」
キノコの狭間は現在、記憶を失ったピーチ姫や長老達が隠れ潜んでいる里である。
サーズ「あそこにも隕石が落ちてな。それを調べにやってきたクッパ軍の占領部隊にキノコの狭間の存在を知られた。」
ルイージ「なんだって・・!」
ヨッシー「まずいですね・・・、姫や長老が危ないです・・!」
サーズ「早くしないと占領部隊総司令のパラレラーが来てしまうのだ。そうなってはいくらあの長老でも・・・。」
マルキー「わかった。援護に向かおう・・。」
ヨッシー「え!クッパはどうするんですか・・!」
マルキー「よし、ミラ、ナレーター、テレサウルスは俺と一緒に来い。」
ミラ「いいわよ。」
ナレさん「クッパとの戦いの場にいれないのが残念ですが・・、別の戦いをナレーションできるならいいでしょう!」
テレサウルス「わかりました!」
マルキー「で、ヨッシー、ルイージ、あとコンソメ・・・・はどこ行ったんだ?」
ヨッシー「あ、そういえばルイージさん。コンソメさんと一緒でしたよね・・?」
ルイージ「・・・・・・すまん、みんな・・・。先の戦いで・・敵と共に自爆を・・・。」
ヨッシー「う・・嘘ですよ・・ね?」
マルキー「ヨッシー・・、察せ。」
ヨッシー「う・・うう・・、コンソメ・・さん・・・!」
サーズ「長老の弟子か・・。惜しい男を亡くしたな・・。しかし時間が無いのだ。マルキー、ついてこい。」
マルキー「・・・よし。おい、ラリー。てめえはルイージとヨッシーをクッパの部屋まで案内しろよ!」
ラリー「わ、わかったよ・・。」
ミラ「ルイージくん、ヨッシー、頑張って・・!」
テレサウルス「ヨッシーくん!死んだら嫌だよ・・!」
ナレさん「ご武運を祈ってます・・!もちろんマリオさんにも!」
マルキー「ルイージ、・・・死ぬなよ。」
ルイージ「・・・師匠もな・・!」
マルキー「ふっ、俺は大丈夫だ。サーズ、いくぞ。」
サーズ「ふむ、では行こう。」


ついに明かされた黒幕の正体エクスデス
そして占領部隊に発見されたキノコの狭間に迫る危機。
物語もようやく終盤。クライマックスは近い!

つづく