小説      スーパーマリオ



第十二話   「炎VS力」
 

この第十二話は知り合いに与えてもらった国産みかん懐中電灯という2単語を
必ず使わなくてはならないという「縛り」をつけて書いています。
しかし、縛りはおもしろいですね。自分が予想できない展開になってくれますw


《 》は口に出していない言葉
“ ”はささやき
:あらすじ:
クッパのせいでとんでもないやつが復活してたらしい。

ワリオ「はぁはぁ・・、くそっ!迷っちまったぜ・・!」
クッパの部屋から逃げ出したワリオは、自家用飛行機を停めてある格納庫に向かおうとするも、
広いクッパ城の間取りを把握できておらず、道に迷っていた。
ワリオ「しかし、おかしいな。かなりうろついたはずだが、クッパの手下どもに一度も遭遇してねえぞ・・。」
それはマリオ達も同様、城に侵入してから普通の兵士と一度も遭っていないのだ。
ワリオ「ま・・いいか。それよりも格納庫はどこだ・・!」


その頃・・・

マリオ「うおっ・・!?」
アルテマウェポンの攻撃を間一髪で避けるマリオ。
マリオ《あいつの4本の前足に捕まれたらおしまいだな・・。ん?前足というか腕か?あれは・・。》
アルテマ「避けるのだけは上手なようだな…」
マリオ「それは暗に攻撃してこいって言ってんのか?」
アルテマ「………………。」
マリオ「まあ、いいか。いきなり大技喰らって、泡吹くんじゃねーぞ」
アルテマ「おもしろい… 弱き生命体のいう大技とはどれほどのものか…」
マリオ「弱き生命体って・・、見た目で判断すんなよ!」
アトミックファイア!!!!!
マリオの放ったアトミックファイアがアルテマめがけて飛んでいった!
だが、アルテマは避けようともせず、アトミックファイアを正面から受けたのだった。
マリオ「!?」
アルテマ「この程度…か……」
マリオ「まだまだだ!アトミックファイア!!」
2発目を放つものの、今度はアルテマの尻尾の一撃で散らされてしまった。
マリオ「な・・に・・!?」
アルテマ「原子力の炎…?それしきの力で我を倒せるとでも思ったか…」
フレア
マリオの周りを幾多の炎が取り囲み、じりじりとマリオに迫っていく…!
マリオ「こいつも炎の攻撃をするのか・・!?」
炎のひとつがマリオに触れた瞬間!
全ての炎が爆発し、マリオに大ダメージを負わせた。
それをキッカケに部屋中の草木が燃え始めた。
マリオ「ぐ・・・がはっ!・・・なんて強さだ・・!!」
アルテマ「………………。」
マリオが生きている事を確認すると、アルテマはマリオに向かって飛び掛った。
マリオ「やべぇ・・!ファイアウォール!!」
一瞬にして炎の壁を作り出した。
さすがにアルテマもそこに飛び込むのは躊躇し、一歩退いた。だが・・!
火炎
火炎がマリオの体を焼き尽くす・・!
マリオ「ぐあああああああっ!!!!」


??「ファファファ・・!!さすがはアルテマウェポン。」
クッパ「マリオ・・・。」
??「複雑か?クッパ。貴様はどこか悪に徹しきれておらず、マリオが死ぬことに戸惑いを・・」
クッパ「う、うるさい!!ワガハイはそんなこと、微塵も思っていない!」
??「・・・・ファファファ。それはすまなかったな。まぁ、このキノコ王国産みかんでも食べて、ゆっくりと見物しようではないか・・。」
ノコノコ2《クッパ様・・・。》


フレアがキッカケで草木についた炎は、あっという間に部屋全体に広がっていた。
マリオを包んでいた火炎はもう消えている。
が、マリオはピクリとも動かない。
アルテマ「……息絶えたか」
アルテマはマリオに背を向け歩き出した。
マリオ「・・・・・・・まだ・・だ・・・。」
アトミックファイア・・!!
アルテマ「…先刻の出来事でこの攻撃が通じないのがまだわからぬか……」
マリオに背を向けながらも難なくアトミックファイアを避けるアルテマ。
アトミックファイアは部屋の中心にある大木に命中し、部屋をよりいっそう燃え上がらせるのであった。
アルテマがゆっくりとマリオの方に振り返った次の瞬間、マリオのコブシがアルテマの顔面に直撃した。
アルテマ「……………ッ!!!」
無言で仰け反るアルテマに向けてもう一発!
2発目は首元にパンチが入った。しかも2発ともただのパンチではない。
マリオ「ヒートナックル・・・だ・・!!」
強烈なパンチを喰らい、悶えるアルテマウェポン。
アルテマ「少しは…やるようだな……」
ボロボロになりながらも反撃したマリオに、アルテマは驚きを隠せなかった。
アルテマ《フレアと火炎をまともに喰らってまだ動けるのか……》
マリオ「まだまだ・・だぜ・・。」
アルテマ「……………。」
クエイク
突然、部屋全体が大きく揺れはじめる!
マリオ「う、うわっ!?なんだ!?」
マリオはうまく立てず、よろめいている。
その隙を狙い、アルテマはマリオに飛び掛った!
そして、頭の鋭い角でマリオを跳ね上げたのだった。
マリオ「うっ・・ぐおっ!!」
あまりの衝撃に、落下する時、受身をとり損ねるマリオ。
アルテマ「………………。」
先程、大技のあと反撃された事を恐れてか、マリオから離れるアルテマ。
アルテマが部屋の中心の燃え盛る大木の前まで来た所で異変は起きた。 マリオ「・・・・あっ・・。あれは!?」
突如降り注ぐ火の粉の雨。
クエイクの震動で大木が揺さぶられ、燃え散る火の粉が雨のように降ってきたのだ。
マリオ「・・・・火の粉・・・!!」
何か閃いたマリオ。アルテマに向かって走り出す!
アルテマ「何を思いついたか… この火の粉がどうしたというのだ……」
マリオはアルテマを無視し、大木にヒートナックルを打ち込んだ。
さらに降り注ぐ火の粉。
アルテマの体にも大量の火の粉が付着していた。
アルテマ「この火の粉で我が燃えるとでも思っているのか………」
マリオ「燃えるさ・・!燃え尽きさせるッ!!!」
そう言った直後、アルテマの体が爆発した!
1度や2度ではない。数え切れないほど爆発しまくっている。
アルテマ「グオオオオオオ…………!?」
マリオ「火の粉を利用しての爆発攻撃だ・・!さしずめ、お前の使った技の名を借りてフレアもどきってとこか・・?」


クッパ「まさか・・、マリオが・・!?」
??《フレアもどきだと・・?それ以上の破壊力ではないか・・!!》


爆発が止む頃には、アルテマはボロボロになっていた。
まともに立つことすらままならない程ダメージをうけているようだった。
アルテマ「…………ガ…」
マリオ「これで、おしまいだ・・。」
そう言うと、マリオは思い切り跳びあがった。
クラッシュジャンプ!!!
大ダメージを負っているアルテマに、これは避けられなかった。
アルテマのボロボロの背中にマリオの足が突き刺さる・・!
マリオが体制を整え、着地した後、アルテマはゆっくりと倒れた・・。
いつの間にか、部屋中の炎はおさまっていた。
アルテマ「お前の…勝ちだ…… 我に死を与えよ…」
マリオ「知るか・・、俺は自ら進んで殺しをやったりはしねえんだよ・・。」
アルテマ「我は力なり… 生命ではない……よって…」
マリオ「うるせえ!それより、出口を・・・」
アルテマ「………………。」
その直後、アルテマは自らに止めを刺した。
尻尾で自分の首を刎ねたのだ。
マリオ「・・・!!」
近くでガーッという音がした。扉が開いたのだ・・。
マリオ《・・・死があるってことは、生もあるってことだろうが・・・。》

だまってマリオはその部屋を後にした。


ヨッシー「あれえ・・、おかしいですね・・。」
ミラ「あら、さっきのドーム状の大部屋じゃない。」
ヨッシー達は何事もなく、来た道を戻ってこれたのだった。
ナレさん「ど、どうしましょう?マリオさんやルイージさんは見ませんでしたよ!?」
マルキー「丁度良い。これで罠に嵌められることなく抜け道を探せる。」
ヨッシー「あ、そうですね。本来の目的はそれですもんね;」
マルキー「よし、またこの通路をいくぞ。今度は慎重にな。」

ミラ「みんな!見て、ここの壁の所・・、押すと開くように作られてるわ・・。」
抜け道を探し始めて数分後、ミラが隠し扉を見つけた。
マルキー「でかした!恐らく、レミーはそこを通ったんだ。」
5人は隠し扉に入り、先にある通路を進んでいった。
ヨッシー「なんかドキドキしますね・・。」
しばらく歩くと十字路にぶち当たった。
テレサウルス「どっちに進みましょーか・・?」
ミラ「ここは多数決ね。私は左がいいわ。」
ヨッシー「じゃあ私も左でいいです。」
ナレさん「私は真っ直ぐ行きたいですね。」
マルキー「俺はなんでもいい。」
テレサウルス「僕も多い方でいいです・・。」
ミラ「決まりね。左へ行きましょう。」
多数決の末、5人は左へ進む。

ヨッシー「しかし、なんで左がいいと思ったんですか?」
ミラ「左手の法則って知ってる?」
ヨッシー「いえ、知りません。」
ミラ「迷路で壁に左手を付けながら進んでいくと、必ずゴールにたどり着けるっていう。」
ヨッシー「へえええ・・。」
ミラ「右手の法則もあるから、要するに右でもよかったの。ここは別に迷路じゃないけど、迷ったら必ずこの法則を使うようにしてるわ。」
ヨッシー「やっぱりミラさんは頭いいですねー。」
テレサウルス「でも結局、シラミ潰しに通路を辿ってるだけですね。その法則。」
ミラ「そうね。でもガムシャラに探すよりは効率がいいわ。行き止まりから戻るとき以外、同じ道をたどる事が無いもの。」
ヨッシー「ナレさんはなんで真っ直ぐがいいとおもったんですか?」
ナレさん「いやぁ~、真っ直ぐ生きる事が私の目標ですから!」
ミラ「良い心がけね!」

それからしばらく進むと、行き止まりにでた。目の前には扉がひとつ。
マルキー「入るか。」
ミラ「ええ。」
5人は扉の向こうに入った。そこは真っ暗でよく見えない。
ヨッシー「暗いですねぇ・・・。」
テレサウルス「誰か、懐中電灯持ってません?」
マルキー「そんなものいらん。魔法で火をおこせばいいだけだ。」
そう言うとマルキーは前方に炎を2,3個、宙に漂わせた。
マルキー「どうやら四角い部屋だな・・。天井は4mぐらい、それと・・、電灯が壊れてやがる。」
ヨッシー「丸さんは魔法が使えるんですか?」
マルキー「まあな。現在はKPとか呼ばれたりしてるが、元を正せば魔法だ。」
その時、後方から扉の閉まる音が聞こえた。
ガタン!カチッ・・
ナレさん「あああっ!!ひ、開きません!!カギがかかってます!!」
ミラ「罠だったのね!?」
ヨッシー「テレサウルスくん!外側から・・っ!」
テレサウルス「うん!」
幽霊の特性を活かし、扉をすり抜けるテレサウルス。
しかし、テレサウルスはすぐに戻ってきた。
テレサウルス「大変だ~!この扉にカギなんか付いてないよ~!!」
マルキー「ってことは電子ロックか・・!」
5人が慌てていると、宙を漂っていた炎が急に消え、どこからか声が聞こえてきた。

??「ケケケケ・・、暗闇の部屋へようこそ・・。」

マルキー「誰だっ!!」
ヨッシー「暗くてよく見えないです!!」
かみなり
雷撃が落ち、室内が一瞬光る。
??「ケッ、誰にも当たらなかったか・・。」
ナレさん「な、なんですか今の!!怖いです!」
ヨッシー「屋内でなんで雷が落ちるんですかー!!」
マルキー「見えたぞ・・、てめぇ、アーリマンだな・・!」
??「ほう・・、俺様を知ってるのか・・。」
ミラ「アーリマン・・?」
テレサウルス「お知り合いなんですか!?」
マルキー「ああ、以前闘ったことがある。」
アーリマン「なんだと?お前は誰だ。」
マルキー「てめえに名乗った覚えはないから言ってもわかんねーだろーよ。」
アーリマン「じゃあ、いつ頃闘った聞こうかじゃないか。」
マルキー「数十年前・・、大魔王ビビンバがキノコ王国に襲撃してきた時だ。」
アーリマン「あの時の魔法使いの一人か?ケケケ・・、これは会えて嬉しいぜ・・。」
ヨッシー“大魔王ビビンバって誰ですか・・?”
ミラ“クッパの前の大魔王よ・・、たぶんクッパの親ね・・。”
アーリマン「あの時は不覚にもやられちまったが、今回はこの暗闇の中だ・・。確実にお前らのほうが不利なんだぜ。」
テレサウルス「この暗闇・・、どうにかできないでしょうか・・。」
マルキー「確かに・・、炎じゃ明るさに限界がある・・。光の魔法が使えればいいが、残念ながら俺には無理だ。」
ヨッシー「そんな・・!」
ナレさん「これはピンチってやつですね・・!大変な事になってまいりましたーっ!!」


5人がアーリマンと対峙する大分前、
ルイージ&コンソメVSアポカリョープスの闘いがあった。

ルイージ「アポカリョープス・・・見た目は魔法使いだな・・。」
コンソメ「わかるぜ・・、こいつは只者じゃねぇ!」
アポカリョープス「クックック・・、2人一緒にかかってきて構わないぞ・・。」
ルイージ「言われなくてもそのつもりだ!」
コンソメ「よっしゃ!いくぜ、ルイージ!!」
アポカリョープス「!! ちょっと待て。」
ルイージ「んなっ!?なんだ、自分からかかってこいっつって!!」
アポカリョープス「この闘いは・・・また次回。」
コンソメ「・・・把握した。」


つづく