小説      スーパーマリオ



第十一話   「黒幕」
 

この第十一話は知り合いに与えてもらったアルテマウェポンデスという2単語を
必ず使わなくてはならないという「縛り」をつけて書いてみました。


《 》は口に出していない言葉
“ ”はささやき
:あらすじ:
作者が2年と8ヶ月ぶりに重い腰を上げたようです。

マリオ「キノピコにピーチ姫の記憶が入ってる・・・だって!?」
ミラ「ええ・・。確かに自分でピーチと名乗っていたわ・・。自分の身に何が起こってるのかは、気づいてないみたいだったけど・・。」
コンソメ「話は長老からある程度聞いてるが・・、なんで姫の記憶がキノピコに入ってるんだ?」
ヨッシー「そうする必要があったんですかね?」
ミラ「わからないけど・・、たぶんあったんじゃないかしら・・。」
マルキー「とりあえず、その話は後だ。レミーの後を追うぞ!」
マリオ達は、レミーが逃げた扉に入り、後を追った。

−一方そのころ−

クッパ「クッ・・!マリオめ・・!!」
ワリオ「おいおい、一人除いてボロ負けじゃねえか。」
クッパ「うるさい!まだレミーが残っておるわ!」
ドンキー「そんなことより、バナナはどこウホ?」
ワリオ「あ、そうだよ。早く宝寄こしやがれ。先払いじゃないと協力しねえぞ。」
クッパ《チッ・・、なんてがめつい奴らだ・・!》
ノコノコ1「クッパ様!レミー様が戻られました!」
レミー「ただいま戻ったぜ父ちゃん!あと、ピーチ姫も取り戻してきたよん。」
クッパ「ガハハハハ!そいつはご苦労!おい、そいつを特別監禁室にぶち込め!」
ノコノコ2「ハッ!」
ワリオ「あれがピーチ姫?どうみてもキノピコじゃねえか。」
クッパ「お前らには説明してなかったな。よし、説明してやろう。カメック!」
カメック「はは、ただいま・・。」
そう言うと、カメックは魔法で無線機を取り出した。
カメック「聞こえるかナレーター。お前が説明しろ。」
ワリオ「なんでそんな回りくどいやり方すんだよ。」


ナレさん「うわっ!?」
マリオ「どうした?」
ナレさん「いや・・、いまカメックの声が・・。」
ルイージ「はぁ、そりゃまたなんで?」
ナレさん「さぁ・・、訳がわかりませんです。」


カメック「・・・・・・。」
クッパ「もういい。お前が説明しろ。」
カメック「は、はい。・・・わかりました。」《マント゛クセ('A`)》

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

※なぜピーチ姫の記憶をキノピコに宿らせたのか
人の記憶というものはとても扱いが難しいものでして、
何か適当な生物に移しておかないと、それを保つことができないのです。
最初は私が全ての魔力を注いで、ピーチ姫の記憶を固体にし、保っていましたが
もはやそれも限界、という所でラリー様がマリオの死体と人質を連れて帰還なさったのです。
そしてピーチ姫の記憶をその人質に宿らせた、というわけです。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ワリオ「へぇ~・・。ってかなんでピーチ姫の記憶を残しておく必要があんだ?」
カメック「知りませんよ!私はクッパ様に従ってるだけですから!」
ワリオ「どういうことだ?クッパ。」
クッパ「ガハハハハハ!もちろん、マリオの目の前で、その記憶もろともキノピコを惨殺するのだ!」
ワリオ「なるほど・・。ん?それだったらピーチ姫さらってきて、目の前で殺せば済む話だろ?」
クッパ「それができたらとっくにやってるっつーの!女を殺すのは性に合わん!」
カメック「クッパ様!人質も女です!」
クッパ「安心しろ!女は女でも、女の子なら大丈夫だ!」
ワリオ「何が大丈夫なんやら・・・」

??「その詰めの甘さが命取りだといつも言っておるだろう・・?クッパよ・・!!」

ワリオ「・・・?誰の声だ?」
ドンキー「尋常じゃない雰囲気だウホ・・。」
クッパ「こ、この声は・・!!」

??「私か・・?ファファファ・・、私の名は・・・・・」

その名前を聞いた瞬間、ワリオの顔がみるみると青ざめていった。
それを見たドンキーも思わずブルッと身震いをしてしまった。
ワリオ「わりぃ!クッパ!おれ、今回降りるわ!・・じゃ、じゃあな!」
ドンキー「オ、オレもジャングルに帰るウホ!」
クッパ「お、おい!ふざけんな!」
ワリオとドンキーは慌てて逃げていった。

??「ファファファ・・・、腰抜け共め・・!」


マリオ「あれ?ここはさっきコクッパと戦った場所じゃねえか!」
マルキー「どうやらグルッと回って、戻ってきちまったみたいだな・・。」
ルイージ「と言っても、さっきレミーが逃げていった道をたどって来たんだから・・、ここに来るはずは・・。」
コンソメ「しかも一本道だったぜ?道を間違えたわけじゃなさそうだが・・。」
マリオ「いや、もしかしたら抜け道があったのかもしれない!もう一度行ってみよう!」
ヨッシー「で、でもマリオさん!この部屋、ドーム状に丸く作られてるじゃないですか!」
マリオ「ああ、そうだな。」
ヨッシー「扉はいくつもあるから、さっきどこに向かって行ったのかわかりませんよ!」
コンソメ「言われてみれば・・!!」
マリオ「そうか・・。ヨッシーの言う通りだ・・。」
ルイージ「じゃあどうするのさ、兄さん!」
ミラ「みんな、頭を使いましょう!」
ヨッシー「え?」
ミラ「この中で一番足が速いのは誰?」
ルイージ「そりゃ、兄さんでしょ!」
ヨッシー「そうですね。マリオさんしかいない!」
マリオ「照れるからあんまりそういうこと言うなよなー!」《嬉しいけどな!》
ミラ「じゃあ、マリオくん。今来た道をひとっ走り、走ってきて!」
マリオ「そういう事か!よっしゃ!行くぜ!」
帽子を目深にかぶり、マリオは猛スピードで走っていった。
ヨッシー「なーるほど!今来た道を戻れば、さっき行った扉に戻ってくるってことですね!」
ルイージ「ミラさん、頭イイー!」
コンソメ「頭脳明晰だな!」
マルキー《お前らが馬鹿なだけだろ・・・。》
ミラ「まあまあ、あなたもそういう事いわないの!」
マルキー「人の心読むなよ!」

10分後・・・・

ヨッシー「マリオさん、来ないですねぇ・・。」
ミラ「おかしいわね。いくら遅く走ったってこんなに掛からないはずだわ。」
マルキー「まさか・・、何かあったんじゃないだろうな・・?」


その少し前・・・、マリオは緑が生い茂っている変な部屋に来ていた。
部屋の中心には大きな木がそびえている・・。
マリオ「なんだこの部屋・・!?室内なのにまるでジャングルだぜ・・。」
その時、部屋中にブザーが鳴り響き、マリオが入ってきた扉が閉まった!
ビー!ビー!ビー!ビー!ビー!
マリオ「うおっ!2つの意味でしまった!これじゃあみんなを呼びに戻れねえ!」
??「シンニュウシャ!ハッケン!シンニュウシャ!ハッケン!タダチニハイジョスル!」
機会音声の放つ言葉が聞こえたかと思うと、部屋の中心にある大木から化け物が飛び降りてきた。
その大きさはマリオの4倍、いや5倍はあるぐらい大きい。
マリオ「うおおおおお!!?なんだこの化け物は!世界観あってねえ!」
??「我が名はアルテマ……」
マリオ「!?」
??「太古に作られし最高の力なり……」
マリオ「アルテマ・・だと!?」
??「我は力であり、生命にあらず…… 弱き生命体よ、きえされ!!」
マリオ「ゲームちげぇえぇええええぇえぇ!!!!!!!」


クッパ「な、なんだあの化け物は・・!?」
??「ファファファ・・・、あれはアルテマウェポンという化け物だ。私が送り込んでやったのだ。」
クッパ「マリオをあの部屋に向けたのも・・」
??「私がしたことだ・・。ファファファ、にっくきマリオが倒される所をここで見届けようじゃないか・・。」
カメック「ど、どこから喋っているのか知らないが、お前は何が目的なのだ!」
??「何・・、私はクッパに復活してもらった御礼に加担しているだけだが。不満かね?」
カメック「不満です!不満!FU☆MA☆N!そういう事を言っておいて、後でなにやらかすかわかったもんじゃ・・!」
??「・・・部下のしつけがなってないようだな、クッパ。」
カメック「!?」
クッパ「な、何をするつもりだ!」
??「しつけの悪い部下は、こうするのが一番だ・・・!」
そう言った瞬間!カメックの足元に時空の裂け目が出現し、カメックを飲み込んでいく・・!!
カメック「ク・・クッパ様・・!!!」
クッパ「カ、カメェーック!!」
クッパがカメックに駆け寄るも遅し、カメックは時空の裂け目に飲み込まれていった。
クッパ「ど・・どういうつもりだ・・!!」
??「ファファファ・・、すまないな。出来の悪い部下を見ると昔を思い出して、気分が悪くなる。」
クッパ《ま、まさかワガハイはとんでもない奴を復活させてしまったのか・・》


コンソメ「待っていても埒があかない!オレも行って来るぜ!!」
ルイージ「お、おれも行く!」
ミラ「待って、二人とも!!・・・・行っちゃった。」
ナレさん「どうしましょう・・!私、今回全然ナレーションできてません!」
ヨッシー「そんなことどうでもいいですよ!それより、私達はどうしましょう!?」
マルキー「待つ。」
ヨッシー「へ!?」
マルキー「ルイージとコンソメをここで待つ。」
ヨッシー「どうして・・!」
マルキー「とりあえず動き回っても仕方が無い。これでルイージとコンソメが帰ってこなかったら、その時はここに残ってる5人で後を追う。」
ナレさん「私もすっかり仲間に入れてもらえてますねー。」
ヨッシー「でも・・・5人?」
ミラ「・・・・・5人?」
マルキー「・・・・え?5人だろ?」
ナレさん「・・・5人・・ですか?」
ヨッシー「私、ミラさん、丸さん、ナレさん・・・・・アッーーー!!!」
ナレさん「ど、どうしました!?」
ヨッシー「テレサウルスくーーん!!!!」
テレサウルス「ヨッシーくーーん!!!!」
ヨッシー「喋らないからすっかり忘れてたよぉ!」
テレサウルス「みんなひどかったよ!でも思い出してくれてありがとうーー!!」
マルキー「オレはひどくないよな・・!」
ナレさん「たしかに5人でした!ナレーターなのにうっかりしてた!」
ミラ「ごめんね!テレサウルスくん!」
テレサウルス「いいんです!もともとお化けなんで・・。僕には空気が似合ってます!」

そんなこんなで10分経過・・・

マルキー「やっぱ戻ってこねえな。」
ヨッシー「じゃあ、私達も行きましょう!」
ナレさん「ナレーションなら任せてください!」
ミラ「まあ、この面子ならよっぽどのことが無い限り、大丈夫かな・・。」
テレサウルス「緊張してきました・・!」


異様なほど真っ白い空間・・、ルイージたちはそこにいた。
ルイージ「なんだ・・、この真っ白な部屋は・・。」
コンソメ「さっき来た道・・じゃないよな、明らかに・・。」
ルイージ「目に悪いぜ・・、一旦引き返そう!」
振り返るルイージ、だがそこにはもう扉がなかった。
ルイージ「罠か!?・・・コンソメ!気をつけろ!」
コンソメ「なにっ!!」

レベル5デス

コンソメ「な、なんだ今の声は・・?」
ルイージ「わからない・・、だが・・・レベル5?」
??「クックック・・、君達のレベルは5の倍数ではなかったみたいだねぇ・・。」
コンソメ「だ、だれだっ!!!」
真っ白い部屋の中心に声の主は現れた。
赤と黒の衣服をまとったその姿は、この白い空間のせいか、不思議な威圧感があった。

??「私の名はアポカリョープス。理由はなんにせよ、君達を倒すためにここに参上した。」


つづく